過去数年にわたり、社会のさまざまな側面でイノベーションが起き、未来がどうなるのか誰にも予想がつかない時代になりました。しかし「先のことは分からないから」と流れに身を任せているだけではなく、予測のつかない時代だからこそ、未来の動きをある程度見通しておきたいもの。これから先10年で、どんなことが起きるのかチェックしてみましょう。

大きな変化に慌てないために

日進月歩という言葉があるように、社会の変化は少しずつ進んでいきます。ふと気がつくと、いつの間にか大きな変化が生じていることもあるでしょう。私たちが生きる社会をさまざまな側面から眺めることで、大きな変化にしっかりと適応していきたいものです。スポット的な出来事から、ゆっくりと広がる社会変容まで7つのTIPSをチェックしていきましょう。

1. どうなる?東京オリンピックの開催

2020年東京オリンピックの開催が、新型コロナウィルスによる感染症の蔓延で延期となりました。

4月中旬時点ではパンデミックの収束時期や最終的な被害規模の予想がつかず、国際オリンピック委員会(IOC)調整委員長は、延期で生じる追加費用の負担に難色を示すなど、前途多難の空気が立ち込めています。

しかし、パンデミックが収束し、時代を超えて語り継がれる忘れがたいオリンピックとなる可能性も残されています。

歴史的かつ世界的な催しの開催可否は、さまざまな側面においてこれまでに例のない選択を迫られることになるでしょう。

2. ロボットが社会進出!人と機械の共存

IoT(Internet of Things=モノのインターネット)というワードも、私たちの生活の中で随分と馴染み深いものとなりました。

あらゆるモノがネットにつながり、AIが人の代役を務め、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)が現実とデジタルの境を無くす……。そんなSF映画のような世界が今、現実になりつつあるといっていいでしょう。

特に少子高齢化が進み、労働の効率化が課題とされる国において、ロボット社会化がさらに急加速するものと予想されます。

これら先端テクノロジーの進出はビジネスから医療、教育まで広範囲にわたります。職場だけではなく、私生活でも人と機械の共存する時代が近づいています。

3. 働き方の概念が180度変わる

ロボットの社会進出にともない、働き方の概念も180度変わると予想されます。インターネットやモバイルデバイスの普及により、既に遠隔から仕事ができるリモートワークが、働き方改革の一環として拡大しているのは、多くの人が実感しているでしょう。

勤務先でリモートワークを選択できる環境にあるビジネスパーソンはもちろん、就業先を選ぶ際に幅広い働き方を推奨する企業を探している就活生も多いかもしれません。

さらには、新型コロナウィルスによる感染症蔓延防止対策のため、国や都道府県からリモートワークが推奨される事態も、働き方の変容においては大きなきっかけとなりそうです。

このような変化に伴って、人が会社に出勤して行っていたマニュアル業務をAIやロボットが引き継ぐ割合も高くなり、「会社に出勤する」という概念が「特定の目的やプロジェクトのために訪れる・集まる」という働き方へと移行するでしょう。

こうした潮流を反映し、コミュニケーションを自由に図るためのオープンスペースや、一時的な作業に適したタッチダウンスペースなどを設置した、目的重視のオフィスも増えています。

4. 警察官の10%近くを女性が占める

女性の社会進出を促進する動きは一般企業だけではなく、社会の安全・安心の維持に貢献する警察にも及んでいます。

2012年、警察庁は「2023年4月までに、警察官の女性比率を全国平均10%に引き上げる」という目標を発表しました。その中で警視庁の場合は、2019年の時点で条例定員に占める女性警察官の割合(地方警務官を除く)が9.8%、新規採用者に占める女性警察官の割合は18.6%に達しています。

さてみなさんは、この数字をどのように捉えるでしょうか。

2020年4月1日現在、総務省統計局の調べ(人口推計)によれば日本の人口のうち、例えば20~24歳の人口は約639万人とされ、男性約330万人に対し女性は約309万人とされています。

これらの男女比と比べ、警察官の女性比率(全国平均)10%という数字を大きいとみるのか、小さいとみるのか……。いずれも、これから先の未来は私たちの捉え方次第といえるでしょう。