毛髪診断士の元井里奈です。
今でこそテレワークも増えましたが、満員電車での通勤を余儀なくされている方もいらっしゃるのではないでしょうか。満員電車といえば、私は前に立っている人の頭髪や頭皮を「ガン見」してしまうのですが、あなたはいかがでしょうか。
写真はイメージです
座席の前に立っていると、座っている人の頭頂部の分け目が見えると思います。その人が一見若々しくお綺麗でも、そこにたった1本の白髪があるだけで印象が崩れてしまうこと、ありませんか? ここだけの話、「な~んだ、こんな綺麗な人でも白髪あるのね…」と内心ほくそ笑んでしまったり。白髪のせいで悪い性格が出てきてしまいます。
前回は、そんな白髪の発生年齢や場所についてお話ししましたが、今回はずばり、白髪になる理由や対策についてお伝えしていきます。
【前回記事】⇒知ってた?白髪の色は「白」じゃない。意外と知らない白髪のナゾ
なぜ白髪になるの?
白髪は、前回お伝えしたとおり髪の毛に色素が入っていない状態なので、色素にポイントがあります。メラニン色素という物質です。 ちょっと難しい話になるので、たとえ話にしますね。
わたしたちの毛根には、毛母細胞という、いわゆる「髪の製造工場」があります。この工場の中には色素細胞という「色素作り専門の職人」がいて、この職人さん達が髪の色となるメラニン色素をせっせと作っているわけです。 そんな職人さん、悲しいことに、自分が担当した毛が寿命を迎えて抜け落ちると、ほとんどが消えてしまうのです。そのため、製造工場の近くには色素幹細胞という名の「職人養成所」があって、新しい髪が作られる際にはここから次の職人さん達が派遣されています。
老化やストレスで白髪が発生するわけ
このように、工場(毛母細胞)、職人(色素細胞)、職人養成所(色素幹細胞)が全て機能していてこそ、黒髪は作られているのです。老化やストレスなどによってこれらが機能しなくなると、白髪が発生すると考えられています。「髪の製造工場」たとえで言うと、工場内の職人達が色素を作れなくなったり、養成所が工場へ職人を派遣できなくなったり、養成所がつぶれてしまったりするのです。
私の娘の髪色。職人さん達、ちょっと色味を間違えている気がします
ちなみに、職人さんが作りだすメラニン色素には2種類、フェオメラニンという赤黄色っぽい色素と、ユウメラニンという黒褐色の色素があります。職人達は、この2種類を混ぜ合わせて、赤毛、黒髪、金髪といった髪の色を作り出しています。日本人の黒髪には、このユウメラニンが多く含まれているんですね。