(1)スケジュールを埋めることに躍起になると能力は枯渇する

独立してスケジュールに何も予定が埋まっていないと、ほとんどの人は不安に駆られる。仕事がなければ予定を書き込みようがないし、お金も入ってこないから当然だ。しかし、仕事をするということは、いわば、自分の能力を「アウトプット」している状態なので、スケジュールを埋めること(=アウトプット)ばかり躍起になっていると、いずれ能力は枯渇してしまう。要はネタ切れ、という感じだ。

短い人であれば3ヶ月程度で、次の仕事がまったく入ってこない。
そうならないためには、新しい情報や知識を「インプット」してやる必要がある。なかには、インプットばかりして、ほとんどお金が出て行く一方という人もいるのだが、仕事を長く続けている人は、このインとアウトのバランスの取り方が上手な人が多い。

(2)「何でもできます」という人には仕事は任せられない

独立直後など、「何でもできます、やります、お願いします!」と営業して回る人も多い。しかし経験上、何でもできますという人ほど、仕事をお願いしてみると、何もできないというケースが多い。
それによりも「◯◯なら任せてください」とか「××には自信があります」と言われた方が安心して任せられるし、案件を紹介もしやすい。

どんなポジションでも能力が発揮できるオールラウンダーは、会社では重宝されるかもしれないが、独立となると、ちょっと影が薄くなってしまうかも。逆に、狙っているのがニッチな分野であればあるほど、ニーズは高くなるし、仕事が集中するものなのだ。

(3)「経験を積んだら報酬をアップしよう」という人は一生単価が安いまま

いわば「自分の能力に対する値付けをどうするか?」である。これが非常に悩みどころだ。独立直後は、まだ経験も浅いし、報酬が高いと仕事がこないかもしれないと考える人は少なくない。「いくらでも良いので、とにかく、やらせてください」と、お試し期間的に安売りしてしまうわけである。

しかし、実際のところ、一度設定した報酬はなかなか値上げできないもの。最初は、仕事の依頼がきて、ありがたいと思っていても、儲からないので、そのうち、モチベーションがあがらなくなる。

単価が低いと仕事の量をこなさなければ生活が立ち行かなくなり、質(クオリティ)が低下するといった悪循環に陥る。スペシャリストとして仕事をするのであれば、最初から安売りしてはいけない。適正な報酬を設定し、それに見合ったプロの仕事をするべきなのだ。

さて、いかがだろうか?独立開業すれば、成功も失敗もすべて自己責任。会社の社会的信用や上司・同僚からの助言や指導、アドバイスもなく、自己責任能力が問われることになる。

副業やアルバイトはタブーだった以前に比べ、今や政府が「働き方改革」の一環で、副業や兼業を推進している時代。ちょっとやってみたいけど、自信がないという方は、お試し気分で、週末だけなど、「プチ独立」してみるのも良いかもしれない。

文・黒田尚子(黒田尚子FPオフィス代表 CFP)/ZUU online

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