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退職後の健康保険は自分で手続き?!知っておきたい保険の種類
(画像=『Rolmy』より引用)

会社を退職した後、他に加入する公的保険のない人は自分で国民健康保険に加入することになります。

国民健康保険は加入にあたって必要な条件はありません。
どんな人でも加入することができます。

保険料は国民健康保険に加入する世帯の人数や収入に応じて市区町村ごとに異なります。
各自治体のホームページなどで保険料のシミュレーションをすることができるので、チェックしてみましょう。

■ メリット

保険料は前年の1〜12月の収入を基準に決められますが、もし収入が基準額を下回った場合は、保険料の減免を受けられます。

例えば、一人暮らしで1〜12月の収入が大幅に下がったとき、申請をすれば翌年の保険料は2割〜最大7割を軽減してもらえる場合があります。

■ デメリット

前年の収入額から保険料が計算されるため、退職金などをもらって一時的に収入が増えた場合は保険料も高くなります。
退職後に収入が増える見込みがない場合は、大きな負担になるでしょう。

また、国民健康保険には「扶養」という考え方がないため、一世帯で国民健康保険に加入する家族が多ければ多いほど、保険料負担は大きくなってしまいます。

■ 気をつけること

1. 加入手続きは14日以内

国民健康保険の対象者になった日から14日以内に市役所等で加入手続きをしなければいけません。

万が一、14日を過ぎてしまった場合でも加入できないということはありませんが、加入日から遡って保険料を徴収されます。

あまり遅れると、一度に支払う保険料が多額になってしまうので、できるだけ早めに手続きをしましょう。

2.会社の健康保険より割高になりがち

会社の社会保険に加入していたときは、会社が保険料の半額を負担してくれていました。

しかし退職後は、すべて自己負担となります。
一概には言えませんが、やはり勤めていた頃より保険料が割高になってしまうケースが多いようです。

3.世帯人数が多いときは「任意継続」を検討する

国民健康保険には「扶養」がなく、世帯で国民健康保険に加入する人が多ければ多いほど、その分保険料負担は増えます。

扶養する家族が多い人は「任意継続」と比べてどちらがお得か一度検討してみると良いでしょう。

4.病気や出産に対する手当金が支給されない

会社の社会保険に入っていたときに支給されていた「手当金」の一部が支給されなくなります。

怪我や病気で仕事を休む期間に支給される「傷病手当金」、そして出産のため仕事を休む期間に支給される「出産手当金」です。

近々出産の予定がある人は要注意です。
(出産費用を保証する「出産育児一時金」は支給されます。)

手続きに必要なもの

  • 印鑑
  • マイナンバー
  • 本人確認書類(免許証など)
  • 今まで加入していた健康保険の資格喪失証明書

※上に挙げた例は一般的なものです。
 詳しくはお住いの自治体のホームページを確認してください。

地方自治体の窓口で手続きしてください。

出典:価格.com保険|国民健康保険(国保)
出典:PE-BANK|フリーランスが加入できる健康保険の種類:国民健康保険と任意継続どっちがおすすめ?
出典:ジョブメドレー|【健康保険の基礎知識】国保と健保の違いとは?

年収130万円以下なら「家族の扶養に入る」

退職後の健康保険は自分で手続き?!知っておきたい保険の種類
(画像=『Rolmy』より引用)

もし将来の見込み年収が130万円未満となる場合は、親や配偶者など親族の「扶養家族」として健康保険に加入することができます。

同居の場合は、扶養される人の年収が扶養する人の年収の2分の1未満でなくてはいけないという条件があります。
また、別居している場合でも、収入より多い仕送りをもらっていれば、扶養に入ることができます。

■ メリット

一番のメリットは、保険料を支払わなくてよいことです。
毎月の保険料支払いは、収入のない期間が長いほど大きな負担になります。

また、扶養される人が増えても、扶養する人の保険料が増えることはありません。
扶養する人、される人どちらにもお金の負担がないのが嬉しいですね。

■ デメリット

扶養に入る条件は「年収130万円未満」なので、扶養に入り続けたい場合は年収を130万円以下に抑えなければいけません。
目安としては月収10万円を超えてくると危険なラインと言えます。

アルバイトやパートをしている人で、シフトを増やしたい場合には注意が必要です。
いつの間にか扶養を抜けなければいけないくらいたくさん稼いでいたというケースもあります。

■ 気をつけること

1.「収入」は「今までの収入」でなく「これからの収入」

扶養に入るときの要件として「年収130万円未満」というと、今年の1月から今までの収入額を合算して考える人も多いでしょう。

しかし社会保険の扶養に入るときの「年収」とは、「これから先1年間の収入見込み」を指します。

ですから、今までいくらの収入があっても関係なく、今後の収入見込みがゼロであれば扶養に入ることができます。

2.「収入」には失業給付も入る

「収入」と言うと、一般的には給与や賃金を思い浮かべる人が多いと思います。

しかし社会保険で言うところの「収入」とは給与や賃金のほか、失業手当・傷病手当金・出産手当金・年金を含みます。

そのため、もし失業保険を貰っているなら、日額が3,612円以上の人は扶養に入ることができなくなってしまうので要注意です。

3.年収見込み130万円を超えたときは手続きが必要

収入見込みが130万円を超えてしまったときは、扶養を抜ける手続きをしなくてはいけません。

扶養している人が自分の勤めている会社に申出をし、「扶養削除手続き」をしてもらってください。

■ 手続きに必要なもの

  • マイナンバー
  • 退職した日が分かる書類(離職票・退職証明書など)
  • 収入や仕送りがある場合は、金額が分かる書類

扶養している人の会社に申し出てください。

出典:全国健康保険協会|被扶養者とは?
出典:日本年金機構|従業員(健康保険・厚生年金保険の被保険者)が家族を被扶養者にするとき、被扶養者に異動があったときの手続き
出典:MoneyFowardクラウド給与|退職後の健康保険 国民健康保険と任意継続保険を比較