退職後の健康保険、収入や家庭の状況に応じた3パターンを解説
退職後、健康保険の加入手続きが必要となる人は、収入や家計の状況に合わせて3パターンの加入方法があります。
それぞれ、手続きの方法や負担する健康保険料の金額が違います。
決められた期限内に手続きをしけれなばいけない場合もあるので、前もって手続きの流れや必要なものを知っておくと良いでしょう。
まずは、現在の自分の状況に照らして確認をしてみましょう。
会社の健康保険に加入し続ける「任意継続」
退職後も、引き続き会社の健康保険に加入し続けることができる「任意継続」という制度があります。
勤めていた会社で2ヶ月以上健康保険に加入していた人は、この制度を使って退職後も2年間、会社の健康保険に継続して加入することができます。
ただし、今まで会社と折半で支払っていた健康保険料が全額自己負担となるので、退職直前に支払った保険料の倍額を支払うことになります。(※上限あり)
また、必ず退職日の翌日から20日以内に手続きをしないと加入できません。
手続書類のやり取りなどをしているうち、いつの間にか期限を過ぎてしまい加入できなかったということもあるので、締切には十分注意しましょう。
■ メリット
負担する健康保険料は、加入している間ずっと定額です。
そのため、保険料負担がいくらになるか、前もって将来の見通しをたてることができます。
また、任意継続なら扶養家族が何人いても保険料は変わりません。
要件を満たせば1人分の保険料で家族全員を扶養できることになります。
国民健康保険の場合は「扶養」という考え方がなく、世帯全員の収入や人数が多ければ保険料もその分高くなります。
扶養家族が多い人は特に任意継続を選んだほうがお得になりやすいでしょう。
■ デメリット
月々支払う健康保険料は退職時に負担していた額の2倍になります。
勤めていたときは健康保険料の半分を会社が負担してくれていましたが、任意継続となると全額を自分で支払わなければならないからです。
加入している限りは収入の有無に関わらず、定額を毎月支払い続けなければいけません。
この後の項で詳しく解説しますが、任意継続は自分の都合でやめることはできないので注意が必要です。
■ 気をつけること
1.加入手続きは20日以内
退職した日の翌日(資格喪失日)から20日以内に申請をしなければいけません。
よほどの理由がない限り、この期間を過ぎてしまうと受け付けてもらうことができません。
もし扶養に入れたい人がいるなら、その人の収入がわかる書類や続柄を証明する書類も必要です。
2.加入できるのは2年まで
任意継続ができる期間は2年間と決まっています。
それを過ぎると自動で脱退することになり、その後は他の健康保険に加入する手続きをしなければいけません。
3.自分の都合で脱退することができない
加入した後で「やっぱり家族の扶養に入りたい」「国民健康保険に加入したい」等の理由で脱退することができません。
脱退が認められるのは、加入してから2年を超えたとき・新しい勤務先で健康保険に加入したとき・死亡した場合などです。
一度加入したら容易に脱退できないと思っておいたほうがよいでしょう。
加入手続きを進める前に、本当に任意継続をした方が良いかよく考えてみましょう。
手続きに必要なもの
- 任意継続加入の申請書(20日以内に協会けんぽへ届出)
- 退職した日が分かる書類(離職票・退職証明書・資格喪失届など)
お住まいの地区の協会けんぽ支部に申請します。
出典:全国健康保険協会|退職後の健康保険について
出典:全国健康保険協会|任意継続とは
出典:全国健康保険協会|任意継続の加入手続きとは