例題4
The little person is constantly confronted with unpleasant alternatives (either you eat your spinach or you go without ice cream), offering little incentive for examining probabilities.
この例文で気をつけたいのは、unpleasant alternatives (either you eat your spinach or you go without ice cream)です。さあ、どう訳せばいいでしょうか。まずはある翻訳者の訳を見てみましょう。
ある翻訳者の訳
食べたくないホウレン草を食べなければアイスクリームにありつけない、といったように、どちらがよいかをためす手段がないのに不愉快な二者択一をしなければならないような場面に子供はよく出会う。
この翻訳者は、unpleasant alternatives (either you eat your spinach or you go without ice cream)の箇所を「食べたくないホウレン草を食べなければアイスクリームにありつけない、といった(中略)不愉快な二者択一」と訳しています。ただ、これでは二者択一ということが理解しにくいですね。
二者択一といえば、「AかBかのいずれか一方」という意味ですから、Aが何でBが何かがすぐにわかるように訳したほうが読みやすいでしょう。ところが原文を直訳すれば、「ホウレン草を食べるか、アイスクリームなしですますか」という二者択一になっています。もちろん原文どおり訳してもいいのですが、私は原文にはない言葉を補って訳してみました。
宮崎訳
幼児は、予測する気にもなれないような面白くない二者択一(嫌いなホウレン草を食べるか、食べない代わりに好きなアイスクリームを諦めるかなど)に常に直面している。
原文にはない言葉を補うのにはそれなりのリスクがあります。補わないほうがいいという考え方ももちろんあるでしょう。しかし、ここではすっと読める訳文にするためにあえて原文にはない言葉を補って訳してみました。一例としてお考えいただければ幸いです。
今回は、間投詞と名詞が一体化している場合と読みやすくするために言葉を補う場合を考えてみました。
提供・HiCareer(通訳者・翻訳者へのインタビュー記事や英語学習の情報が満載!)
【こちらの記事も読まれています】
>思わず共感する40代独身女性あるある
>100均グッズで宅飲みをワンランクアップ
>生活費月100万円超「ご近所セレブ」の実態
>旅行のお土産、いくらが適切?
>あぁ、癒やされる。飼いやすいペット5選