日本列島のほぼ中央に位置している広島県は、自然環境と都市機能の両面を持っていることから人気の移住地です。この記事では、広島県でとくにおすすめな市町村や支援制度のある自治体についてご紹介します。
広島県は人口約280万人(2020年)、全国第12位の都市です。
都市と自然が融合した美しい景観を織りなしており、原爆ドームや厳島神社といった世界遺産をはじめたくさんの観光地があります。また、お好み焼きや牡蠣、もみじ饅頭などの名物があり、野球やサッカーなどスポーツが盛んな県としても有名です。都市の良さと豊かな自然環境の両方が手に入るのが魅力です。
広島県で田舎暮らしをするならここ!おすすめの場所5選
では、具体的に、広島県で田舎暮らしをするのにオススメな地域はどこでしょうか?オススメの5つの地域の特徴や気候について紹介しましょう。
尾道市
尾道市は、瀬戸内のほぼ中央、広島県の東南部に位置し、1169年に荘園米の積み出し港となって以来、対明貿易船や北前船、内海航行船の寄港地として、中世・近世を通じて繁栄をとげました。港町・商都としての発展は各時代に豪商を生み、多くの神社仏閣の寄進造営が行われました。
海を望む階段や坂道、路地越しに見える尾道水道、点在する寺院など、歴史を凝縮した景観に魅かれ、この地では多くの文人が足跡を刻みました。歴史と文化にあふれる島々を結び、全長約70kmの海の道をサイクリングで満喫できる、しまなみ海道も魅力的です。近年では数々の映像作品の舞台となり映画のまちとしても有名です。
JR山陽新幹線、山陽本線の停車駅があり、山陽自動車道、瀬戸内しまなみ海道に加え、2015年に全線開通した中国やまなみ街道が交差する「瀬戸内の十字路」として交通利便性の高い都市です。5社のバス路線が運行されており、島しょ部へは尾道港を中心に定期航路が運航されていますが、自家用車の必要性は高いです。
東京から新幹線で約4時間、名古屋からは約2時間半、大阪からは約2時間でアクセス可能で、どこに行くにも比較的アクセスが良いです。尾道駅からは里山や島へ車を使えば1時間程度で行ける距離です。
気候は温暖で、平均気温は15.7度です。降雨量が比較的少ない瀬戸内型に属しますが、内陸部は温度較差がやや大きい山間部の特性を示しています。都会と自然の絶妙な距離感が尾道の魅力です。
福山市
福山市は瀬戸内海沿岸の中央、広島県東部に位置し、人口約46万人の中核市です。瀬戸内海式気候に属し、年間を通じて天気や湿度が安定しています。降水月が5、6、7月と9月の二峰性となっており、間の8月の降水量が著しく少なく、年間では約1200mmです。
また、河川の流量が少ないのが特徴です。冬から春にかけて、中国大陸から流入する黄砂が観測されることも多いです。冬には氷点下まで下がる日もあります。太平洋高気圧に覆われる夏には瀬戸内海沿岸特有の凪が発生し、日中の気温は35℃を超える猛暑となる日もあります。降雪は少なく平地部の積雪は稀です。
福山市は、単一事業所として世界で初めて累計粗鉄生産量が4億トンに達した世界最大級の銑鋼一貫製鉄所(JFEスチール)を抱える重工業都市です。粗鋼生産量は日本一で、鉄鋼関連産業、造船、機械産業などが集積しています。
福山駅には新幹線「のぞみ」「さくら」「ひかり」「こだま」が停車します。飛行機は広島空港からはリムジンバスで約60分、岡山空港からも岡山駅経由でリムジンバスと新幹線で約60分です。山陽自動車道には、福山東インター、福山西インターがあります。また、国際港湾である福山港を擁するなど交通の要衝となっています。福山駅は、福塩線、多数の路線バス路線の起点であり、地方都市としては多い10路線を越える高速バスが発着します。
廿日市(はつかいち)市
廿日市市は、広島県の西部に位置するまちで、南は瀬戸内海に面しています。気候は、沿岸・島しょ部では、温暖で比較的小雨の過ごしやすい気候です。
山間部は、冷涼多雨で豪雪地帯に指定されている地域もあり、夏期は過ごしやすいですが、冬期は平地でもかなりの積雪となります。そのため、冬はめがひらスキー場でのウインタースポーツも魅力のひとつとなっています。
また、我が国を代表する世界遺産の嚴島神社をはじめとする悠久の歴史文化、市内各所に点在する温泉施設、美術館、スポーツ施設などさまざまな観光資源があるまちです。日経BPが働く世代約2万人を対象に調査した「シティブランド・ランキング―住みよい街2021―」で、廿日市市は3年連続中国地方で第1位に選ばれました。
JR広島駅まで20分と通勤圏内で交通の便が良く、学校や買い物施設、公園等の生活環境も充実しています。JR山陽本線、広島電鉄宮島線が通り、バス路線が運行されている地域や、地域コミュニティバスが運行している地域もありますが、中山間地域では自家用車が必要です。
竹原市
竹原市は、広島県沿岸部のほぼ中央に位置し、風光明媚な瀬戸内の自然と、平均気温15度の温暖な気候に恵まれています。市内南北を2級河川賀茂川が流れ、周囲は朝日山を中心に三方を山に囲まれています。河川上流から中流にかけて田畑が広がり、下流にはぶどう畑が広がっています。
うさぎの島として知られる大久野島をはじめ、瀬戸内海国立公園などの豊かな自然、海と山に囲まれた地形は、美しい水と四季折々の味覚を育んでいます。また、江戸時代に製塩業や酒造業で繁栄した面影をいまに伝える町並み「重要伝統的建造物群保存地区」など、歴史と文化に恵まれた街でもあります。
竹原市街地から広島空港までは車で約25分です。また、JR呉線が通り5つの駅があります。バス路線は4路線運行されており、広島市内の高速バス路線や広島空港行きのジャンボタクシーも運行され、都市部へのアクセスに恵まれています。地元の商店街やショッピングセンターもあり、日常生活には困りませんが、自家用車の必要性は高いです。
東広島市
東広島市は、人口約19万人で、広島県のほぼ中心に位置している街です。周囲を低い山々に囲まれた標高200~400m の盆地状の地形が大部分を占め、南西部を中心に比較的平坦地に恵まれています。南東部は瀬戸内海に面しており、沿岸部に小規模な平坦地が広がり、大芝島などの島しょ部があります。
標高が北に高く南に低い地形のため、冬季の気温、積雪量に差は見られますが、全体的に比較的温暖な気候です。
また、瀬戸内海に面する地域は、四季を通じて寒暖の差が少なく、東広島市の中でも温暖な気候です。東広島市には山陽自動車道、国道2号線、JR山陽新幹線・山陽本線が通り、交通網が充実しています。広島空港からもほど近く、県内外へも気軽に移動ができます。
340年以上の歴史を紡ぐ、日本を代表する銘醸地のひとつ西条があり、酒造りの伝統が地域に根付いています。市内には4つの大学があり、約17,000人の学生が学んでいる学園都市でもあります。産・学・官の研究開発機関が集まる研究団地「広島中央サイエンスパーク」には、企業のみならず学生にとっても最先端技術の研究開発を行う環境が整っています。大学を中心とした学園都市づくりが進められています。
東広島市は、内陸部の里山や田園地帯、自然豊かな沿岸部の「いなか暮らし」と市内中心部での「まち暮らし」が両立するところです。