投資信託のリスクは「標準偏差」でチェックする

あんず 「なるほどー。でも、はじめからハイリスクなのは不安だな……。何か『リスクの高さ』をチェックする方法はあるのかな?」
 
みらい 「『標準偏差』っていうデータが目安になるよ」
 
あんず 「ひょうじゅんへんさ?」
 
<みらいちゃんは「標準偏差」について次のように解説しました>
 
「標準偏差」とはある期間でどのくらいブレが生じたかを数値化したもの。

すなわち数値が大きければブレが大きく、小さければブレが小さいことがわかるデータです。

(写真=margouillat photo/Shutterstock.com)

たとえば、ある同じような投資対象である「りんごファンド」と「レモンファンド」で悩んだ時に、両ファンドの同じ期間の「標準偏差」と「リターン」をチェックしてみます。

  • りんごファンド 標準偏差:9、平均リターン:5%
  • レモンファンド 標準偏差:20、平均リターン:5%  この場合、「りんごファンド」も「レモンファンド」も平均リターンは5%ですが、標準偏差が異なっていますね。「レモンファンド」の方が標準偏差が大きいため、この期間中の価格のブレは「レモンファンド」の方が大きいということを意味します。
     
    少しむずかしい話になりますが、統計学的に、「平均リターン±標準偏差に収まる確率は68.3%」、そして「平均リターン±2標準偏差(標準偏差を2倍にした数)に収まる確率は95.4%」と決まっているんです。
     
    あんず 「どういうこと??」

みらい 「ひとまず数字の根拠は置いておいて、どういうことか紹介するね」
 
▽「りんごファンド」(標準偏差9)の場合

  • 68.3%の確率で、リターンが4%から14%の間で収まる
  • 95.4%の確率で、リターンがマイナス13%からプラス23%の間に収まる ▽「レモンファンド」(標準偏差20)の場合
  • 68.3%の確率で、リターンがマイナス15%からプラス25%の間に収まる
  • 95.4%の確率で、リターンがマイナス35%からプラス45%の間に収まる   みらい 「見た目の平均リターンは同じだけど、どっちのリスクの方が大きいと思う?」
     
    あんず 「最悪マイナス35%にもなる、レモンファンドの方!」
     
    みらい 「大正解!だから、平均リターンだけを見ないことが大事なの」
     
    あんず 「うん。わかった!ところでどうやって標準偏差って調べればよいの?」
     
    みらい 「証券会社の商品詳細ページや、『モーニングスター』っていう投資信託評価会社のHPで調べられるよ」
     
    あんず 「ありがとう!」

    ※編集部が実際にモーニングスターの画面を触ってみました

    トップページから「投信」のページへ。
     

    「ファンドランキング」から純資産残高の多そうなファンドを選んでみます。この日(2017年10月27日)の1位は「フィデリティ・USリートB(H無)」というファンドが1位でした。
     

    ファンドの詳細ページを下にスクロールしていくと……。
     

    「パフォーマンス」という項目があり、ここ1年のトータルリターンは10.43%、過去3年間だと10.16%だそうです。さらに下へ行くと……。
     

ありました!ここ1年の標準偏差は12.31、過去3年間だと16.95だそうです。
 

先ほどの計算だと、このファンドの場合は、ここ1年間の数字(トータルリターンは10.43%、標準偏差は12.31)を適用すると、次のように言えそうです。

  • 68.3%の確率で、リターンがマイナス1.88%からプラス22.74%の間に収まる\
  • 95.4%の確率で、リターンがマイナス14.19%からプラス35.05%の間に収まる

次回は投資信託のコストについて

  みらい 「投資信託のリターンとリスクについてわかったかな?」
 
あんず 「うーん。でも、ずっと気になっていたんだけど、投資信託って手数料が掛かるんだよね?これがどれくらいなのか知りたいな」
 
みらい 「OK!じゃあ次回は投資信託のコストについて説明するね」

文・みらい女性倶楽部/DAILY ANDS

【こちらの記事もおすすめ】
お金が貯まる5つのコツ。「貯蓄1,000万円」も夢じゃない
「いつもお金がない人」に共通する5つの行動と口ぐせとは?
お金持ちの「貯まる特徴」3つ 最も大切なのは?
お金を増やしたい人へ。専門家がおすすめするベスト3の方法とは?
お金を貯めたいなら財布選びで意識したい「風水」