皮膚や粘膜を構成する扁平上皮に発生するがんで、猫には比較的よく見られます。
皮膚にできるものは、日光が誘因とされ、外に出る毛色が白い猫は要注意。紫外線の刺激によって、耳介、鼻筋、まぶたなどに発生しやすいです。初期はかさぶたや擦り傷のようですが、次第にただれや潰瘍がひどくなります。予防のためにも、室内飼育が望まれます。
扁平上皮がんは皮膚だけでなく、舌や歯茎、顎など口腔内にも発生します。口内にしこりやただれ、潰瘍などが見られ、進行すると血の混じったよだれを流したり、水を飲んだり食べたりするのに支障をきたすようになります。
治療は、がんのできた部分をできるだけ広範囲に切除する外科手術が中心ですが、切除不能な場合には、放射線治療や抗がん剤治療が選択されることもあります。
ワクチンの接種部位に発生する肉腫で、猫だけに見られます。ワクチンを打つと、炎症を起こして一時的に硬いしこり(硬結)ができることがありますが、通常は、自然に消失します。ところが、しこりが数カ月経っても消えなかったり、大きくなったりする場合は、ワクチン誘発性の線維肉腫が疑われます。
不活化ワクチンに含まれるアジュバントという物質が一因と考えられています。治療は、外科手術によって切除しますが、再発しやすく、手術を繰り返すこともあります。同じ部位に接種すると発生しやすいため、毎年、接種部位を変えたり、万一肉腫が発生しても外科処置がしやすい部位にするなどの対策がとられています。
猫には猫白血病(FelV)のような危険な感染症があるため、肉腫の発生を恐れるあまり、ワクチン接種を避けるのは得策ではありません。
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