生活に潜む田舎暮らしの不便なところ

田舎暮らしはここが不便!都会とは全く違う生活様式や移住前に準備すべきことも解説
(画像=『移住したい』より引用)

前述したような目につきやすい不便のほか、見落としがちですが、以下のような場面でも不便を感じるケースがあるようです。

移住先のネット環境が整っていない

田舎であっても多くの地域でインターネット環境が普及してきましたが、なかには充分とは言えない地域もいまだにあります。リモートワークやフリーランスなど、場所を選ばない働き方を想定して田舎に移住したい人には、快適なインターネット環境があるかどうかは大きな関心事でしょう。

とは言っても、ほとんどの地域では対策次第でインターネットを使うことができます。
例えば、光回線が開通していない地域でも、モバイルルーターやテザリングなどでPCでのインターネット利用が可能になるでしょう。またはケーブルテレビの回線を契約し、インターネットを利用する方法があります。
ただし、いずれの方法も通信関連の費用が割高になることは覚悟しておきましょう。

また、スマホキャリアによっては電波が不安定であったり、格安スマホが提供エリア外だったりして、使えるキャリアに制約が出るケースもあります。キャリアにこだわりがある場合は、事前に提供エリアをチェックしておくことが欠かせません。都会のようにいたる所でフリーWi-Fiが提供されている環境ではないことも心に留めておきましょう。

ネットで頼んだ荷物が届くのが遅い

商業施設が少ないというデメリットは、インターネットショッピングでカバーできる部分も多くなってきました。しかし、立地によりますが、都市部よりも商品配送に日数がかかる地域もあります。すぐに手元に欲しい買い物の場合などは、不便を感じることがあるかもしれません。

また、北海道や沖縄、離島などでは、配送に時間を要するだけでなく、配送料が高めに設定されている事業者もあります。
例えば楽天市場では、「沖縄・離島・一部地域」として括られた住所地については、送料無料ラインの設定が異なります。具体的には、通常なら1ショップの購入金額合計が3,980円を超えると送料無料になるのですが、「沖縄・離島・一部地域」では指定の送料がかかるか、または9,800円を超えないと送料無料になりません。

Amazonでは、Amazonによる販売・発送の商品については送料無料の基準は全国で一定ですが、マーケットプレイスの商品では地域によって送料が高額になることがあります。
そのほか、佐川急便などの配送業者では、送料のほかに「離島中継手数料」がかかる地域があります。

逆に、仕事などで荷物を発送する立場になったときにも、都会と比べると配送手段の選択肢が限られる場合があります。運送会社の営業所や郵便局、コンビニなど、発送できる場所が近くにあるか事前にチェックしておいたほうがよいでしょう。

土砂崩れや高潮など自然災害の多い場所もある

自然に囲まれた田舎の環境は、自然災害と裏返しという側面もあります。緑豊かな山間部では土砂災害の恐れがある場所も多々あり、海辺であれば高潮、川の近くであれば氾濫など、水害の脅威を完全になくすことはできません。

近年増えてきた大雨や台風によってもし被害が発生した場合、山間部の集落などは通行止めによって孤立してしまい、救助活動や復旧作業が遅れるリスクもあります。積雪地帯で記録的な豪雪・暴風雪による集落孤立が起こったケースもありました。地震の際は、古民家などの古い住宅では建物が劣化に加えて耐震基準を満たしていない場合も多く、倒壊や破損の危険性がある点も注意が必要です。

地域に関わらず自然災害はある程度避けられないものですから、事前の情報収集と心構え、対策が欠かせません。具体的には、地域の選定や物件選びはもちろん、ハザードマップに応じた避難経路の確認、防災用品や備蓄といった備え、必要に応じて住宅の耐震化工事などが必要になるでしょう。