セリフをちゃんと覚えれば大人が遊んでくれた
――デビューはTBSの連続ドラマ『ひとりぼっちの君に』でしたでしょうか。
濱田:事務所に入ってひと月経ち、ろくにレッスンも受けずにいたら「経験になるのでオーディションに行きましょう」と。それで放課後、TBSに呼ばれると、まわりはよく練習した同世代の子ばかりでした。みんな「よろしくお願いします!」としっかりあいさつしていましたが、僕は早く帰りたいので、ムスっとしていました。
するとなぜか一次に受かり、二次も悪態付いたらそのまま残され、三次に進み、四次、五次、結果、悪態を付き続けていたら受かってしまった。何を求められていたかというと、親に捨てられて擦れた子を探していたんですね。僕の悪態が役柄と奇跡のシンクロをしたんです。悪目立ちですよね(笑)。
――それですぐお芝居に目覚めたのですか?
濱田:セリフをちゃんと覚えないと、大人は相手をしてくれないんです。ちゃんと覚えれば“遊んで”くれる。その感じが岳少年は楽しかったようで、あのみなさんとの最初の経験がなければ、とっくに辞めていた仕事だと思います。あの楽しさのおかげで33歳になるまで続けてこれたのだと思うんです。
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