【妊娠32週目の胎児⑧】胎動が少なくなってくる

羊水の量が減ってくると、エコーでも見られるように、赤ちゃんは子宮の下の方に降りてくるようになり、徐々に出産に向けて骨盤の中に頭をセットするようになります。

すると、羊水も減ることもあり、子宮の中に赤ちゃんが胎動を起こす余裕がなくなってきます。

胎動が全くなくなるわけではないのですが、妊娠30週目くらいまで赤ちゃんの元気な胎動で遊ぶことを楽しんでいたママにとっては、ちょっと胎動が少なくなったことがさみしく思う人もいるかもしれません。

でも、この時期から胎動が少なくなっていくのは、赤ちゃんが出産準備に入ったためです。この胎動が少なくなるという変化は、出産に向けて大切なものになります。

とはいえ、胎動は個人差がとても大きいものです。妊娠後期になっても、激しく胎動を起こし続ける赤ちゃんもいます。この時期に胎動が少なくならないことで、却って心配になる人もいるようですが、胎動が元気なのは特に心配は要らないでしょう。

注意しなければならないのは、全く胎動がなくなることです。

24時間以上、胎動を感じないことがあったら、お腹の赤ちゃんに何かトラブルが起きている可能性があります。すぐに病院へ行きましょう。

妊娠32週目のママの様子や体調は?!

妊娠32週目の頃のエコーに映る胎児の様子がよく分かったところで、次はママの様子についてみていきましょう。

赤ちゃんはエコーでも元気な様子を見せてくれていましたが、いよいよ妊娠後期に入ってきたママの体調にはどのような変化が起きるものなのでしょうか。ここからみていきましょう。

【妊娠32週目のママの様子①】膣が緩んでおりものが増える

妊娠8ヵ月に入ると、ママの体も出産すの準備に着々と入り始めます。

出産の時に赤ちゃんが通って外の世界へやってくる産道を広げやすくするために、この時期から膣が緩み始めます。

妊娠初期にはおりものの量が増えたのが、妊娠中期にはいったん減っていました。

それが、この時期になると膣が緩むことでおりものの量が増えて、また不快な感じを覚えるようになる人が少なくありません。

色や臭いに異常がなければ、この時期におりものが増えることは自然な現象なので、心配は要らないのですが、局部がかぶれやすくなりますよね。

通気性のよい清潔な下着を身につけることや、おりものシートを活用してこまめに替えることなどの対策をとるようにしましょう。

【妊娠32週目のママの様子②】偏頭痛がひどい人も!

妊娠32週目の頃になると、偏頭痛に悩むママが増えてきます。

妊娠後期になると、出産時の大量出血に備えて、身体中の血液量や水分量が一気に増えていく時期になります。

そのために、増えた血液量によって血管が押し広げられるようになり、ズキズキと痛む偏頭痛が起きやすくなってしまうのです。

目がチカチカしたり、頭のどちらかがズキズキと脈打つように痛むのであれば、それは偏頭痛です。

妊娠していない時ならば、頭痛薬を飲めばすぐにおさまるものなのですが、この時期には薬を飲むことはできません。

冷たいタオルなどで痛むところを冷やしたり、暗い部屋で安静にして痛みが治まるのを待つなどの対応をしましょう。

【妊娠32週目のママの様子③】妊娠高血圧症候群に要注意!

また、血液量が増加することで、血管が押し広げられることで、妊娠8ヵ月目に入った頃から血圧が高くなってしまうママも少なくありません。

いつもよりも多少血圧が高い程度であればこの時期には仕方がないことなのですが、人によっては妊娠高血圧症候群になってしまう人もいます。

今までの妊婦検診では、血圧にも尿淡白にも何も異常がなかったのに、突然妊娠後期に入ってから妊娠高血圧症候群と診断されてしまう妊婦さんも少なくありません。

妊婦健診で何も異常がないからといって、自分の好物ばかりを食べていたり、味の濃いものを食べていたりする人が、妊娠8ヵ月から9ヵ月に入って妊娠高血圧症候群と診断されることが多いようです。

少なくとも出産後に授乳が終わるまでは、赤ちゃんのことも考えて、塩分の取りすぎや水分の取りすぎ、カロリーの取りすぎは控えるように気を付けましょう。