白い色は太って見える、瘦せて見える色は暗い色などと聞いたことがある方は多いでしょう。今回は膨張色や収縮色といった見え方や寒色、暖色の違いなどの色彩についてお伝えします。あまり気にしたことがなかった方も理解できると上手な見せ方ができるようになるので、ぜひ参考にしてください。

膨張色と収縮色とは?

分類するための3つの要素:明度、彩度、温度

まず、色の種類について分けていきましょう。色は色相、明度、彩度で分けることができますが、膨張色と収縮色について必要なのは上記の明度、彩度、そして色相ではなく温度です。

明度は色の明るさのことを指し、白に近いほど明るい色、黒に近いほど暗い色になります。彩度は色の透明度のことで、澄んだ色になるほど派手な色味に、濁った色になるほど地味な色味になります。

最後の温度ですが、色は見え方の温度によって暖かい色と冷たい色に分けられます。赤を中心として暖かい色に、青を中心として冷たい色に分けられます。

膨張色の分類

膨張色と収縮色とは?寒色暖色と色彩や色の見え方も
(画像=『BELCY』より引用)

膨張、という言葉を聞いて何をイメージするでしょうか?広がる、ふくらむといったようなことが思いつくと思います。その通り、大きく見える色が膨張色になります。目に入る光の割合が大きいので広がって見えると言われています。

温度で分けるなら暖色に当たります。暖かい、熱いものを想像してみてください。炎、太陽の色は赤やオレンジですよね。ゆえに、暖色と呼ばれます。もうひとつ関わっている色相は明るさです。明るい色調のものは大きく見えるので、明るい色味のものも膨張色と呼ばれます。パステルカラーやシャーベットカラーが含まれます。

最後は色の鮮やかさについてですが、彩度の高い色調が膨張して見えるためビビットカラーやビタミンカラーが膨張色と呼ばれます。

収縮色の分類

一方、収縮の方は狭まる、縮む、ということが思いつくと思います。こちらは小さく見える色が収縮色になります。膨張色とは反対に目に入る光が少ないことから縮んで見える色になります。

温度で分けると寒色に当たります。冷たい、寒いと聞いてどんな自然物が思い浮かぶでしょうか?氷、海といったものの色は青や水色ですよね。そのことから青の要素があるものを寒色と呼びます。そして暗い色も小さく見えるため収縮色になります。ネイビーなどのダークトーンやディープトーンの色調がそうです。

そして、色の鮮やかさでいうなら濁った色味のものが収縮色になるので、グレイッシュトーンやダークグレイッシュトーンが該当します。聞きなじみのない方も多いかもしれません。オリーブ、焦げ茶色が代表的な色味です。

POINT

グリーンとパープルは中間色

暖色と寒色に分けない色を中間色と呼びます。色相環はレッドからピンクまでの環になりますが、その中でグリーンの関連色とパープルの関連色は中間色の分類になります。

膨張色の色彩の種類6つ

膨張色に該当する色彩:明るい色の白とベージュ

まず明度の高い2色をご紹介します。白とベージュです。白は一番光をはね返すと言われるほど明るい色味です。ベージュは明るい色とされているため暖色以外でも膨張色と言われます。

膨張色に当たる色彩:暖色とされる4色

次に、暖色に当たる4色を挙げていきます。ピンク、レッド、オレンジ、イエローがそうです。ピンクからイエローの間にある色彩が暖色になるため膨張色となります。見ている人間に高揚感を与える色彩になります。

収縮色の色彩の種類6つ

収縮色に該当する色彩の分類:暗い色の3色

収縮色にはまず暗い色味である焦げ茶色、ネイビー、ブラックが該当します。ちなみにただのブラウンは中間色に分類されます。ネイビーはブルーの属性なので寒色でもあります。ブラックは色彩のなかでは最も暗い色で、光を吸収すると言われています。

収縮色に該当する色彩の分類:寒色とされる3色

次に、寒色に分類される4色を挙げていきます。画像の下側の左から2番目のブルーグリーン、3番目のブルー、4番目のヴァイオレットが該当します。こちらも基本的には青がメインの色相になります。寒色は暖色とは逆に見ている人を沈静化させる効果があります。

POINT

色がない?無彩色

無彩色は色の鮮やかさがない色彩の総称で、ホワイト、グレー、ブラックの3つの色が所属しています。明るさはグレーを真ん中にして上がホワイト、下がブラックになります。

色の見え方|膨張色

上下膨張色:白

ここからは膨張色のコーデの見え方を紹介していきます。こちらは白で上下をまとめたコーディネートです。デザインにゆとりがあるのもそうですが、大きく見えると思いませんか?背が低い、または瘦せ気味の方は上下膨張色だと大きく見えていいかもしれませんね。

足元は黒で収縮色なので引き締まった印象になります。もっと細く見せたいならブラックのベルトをしましょう。白と黒のコントラストで締まって見えます。白は一番膨張して見える色彩なので、組み合わせる際には収縮色を上手に利用しましょう。

ボトムスのみ膨張色:ベージュ

こちらはボトムスのみ膨張色のベージュのコーデ。ベージュの効果で下半身が広がって見えますが、他の色を収縮色でまとめたことにより抑えています。トップスが白なら上半身はかなりのボリュームになっていたでしょう。もしトップスを白にするなら身体に沿うものを選ぶと大きく見えないのでおすすめです。

ベージュの成分についてはグレーがまじったイエローだといわれています。イエローをくすませた色味といえるでしょう。イエローが入っているため明るく、広がって見える色になっています。

トップスが膨張色、ボトムが収縮色:イエロー

こちらはトップスにイエロー、ボトムスにダークグレー系を合わせたコーデ。これは膨張色をうまく使った例です。膨張色がトップスで使われ、おまけに丈が短いので視線を上に集めることができるのです。ボトムスも縦に模様が入っているので太って見えません。

スタイルよく見せたい方はこの画像のような膨張色の使い方をするとよいでしょう。トップスがゆるめのものでもバランスが取れます。

イエローは光を構成するうえで大事な色です。その分明度の高い色になるので膨張して見えやすい色彩になります。組み合わせる色彩のバランスを考えましょう。

上下で色の違う膨張色コーデ:ラヴェンダー

こちらはラヴェンダーのトップス、スカートとパステルカラーでまとめられたコーデ。ぼんやりして見えませんか?薄い色の膨張色は印象がぼやけてしまう効果もあるのです。上下パステルカラーにするなら小物を収縮色にするとコーデに緊張感が与えられます。

パステルカラーはペールトーンと呼ばれる薄い色調になります。似た色調のシャーベットカラーはこれよりさらに薄い色味のものをいいます。弱弱しく見える色調なので、強い色味か暗い色味のものを足すとインパクトを足すことができます。