熱中症や火傷レベルの日焼け、得体のしれない虫や海洋生物に刺された、等々。夏は危険がいっぱい。しかも病院が夏季休業!そんな時のお助けBOOKが『湘南ERが教える 大切な人を守るための応急手当』(KADOKAWA)。湘南ERが監修した本書には、50種類以上の応急手当が掲載されています。

夏のめまい・頭痛は「熱中症」かも?応急手当と病院へ行くべき目安
(画像=写真はイメージです。、『女子SPA!』より引用)

専門外がない、ER医って何者?

 ER医とは「EmergencyRoom=緊急外来の診療を専門とする医師」のこと。「専門外がなく、ケガや病気すべての初期治療ができるスペシャルな医師」なのです。24時間365日、患者を受け入れている湘南鎌倉総合病院の救急総合診療科(ER)。救急車の搬送台数は日本トップクラス。本書は湘南ERの4名が自分でできる応急手当をレクチャー。救急車を呼ぶか、病院を受診するか、目安も教えてくれますよ。

めまいに立ちくらみ、それ熱中症かも

夏のめまい・頭痛は「熱中症」かも?応急手当と病院へ行くべき目安
(画像=湘南ERの4名、『女子SPA!』より引用)

 夏の危険症状ナンバーワンといえば、熱中症。熱中症とは、具体的にどんな症状なのでしょう。本書からまとめてみました。

 熱中症とは、暑い環境に体がうまく適応できずに起こる状態のこと。体内での熱の産生と放散のバランスがくずれて、体温が著しく上昇してしまいます。熱中症の程度を簡潔にあらわしてみましょう。

☆熱中症の程度☆

・軽症(Ⅰ度)……めまい、失神、立ちくらみ、こむら返り(筋肉の硬直)
・中等症(Ⅱ度)……頭痛、吐き気、倦怠感、ぼーっとする(軽い意識障害)
・重症(Ⅲ度)……意識障害、けいれんする、手足の運動障害、高体温、肝機能障害、腎機能障害、血液凝固障害

 では、熱中症の疑いがあった場合の応急手当を本書からまとめてみます。

☆応急手当☆

夏のめまい・頭痛は「熱中症」かも?応急手当と病院へ行くべき目安
(画像=『女子SPA!』より引用)

・まずは涼しい場所で横になる。
・発汗などで体のミネラルが失われているので、塩分の入った水分をとり、体を冷やす。

「熱中症は、症状の程度だけでなく回復度で判断する」と本書。「軽症だから大丈夫、ではなく、経過を観察して、症状が改善してきている、経過がよいと判断できて初めて大丈夫、という状態といえる」。自己判断で軽視してしまわずに、医師の診断を受けましょう。

☆受診の目安☆

・処置をしても改善しない、悪化傾向→病院へ
・症状が強く、動けない。意識の状態が悪い→救急車を呼ぶ

「まさか私が」とか「私は平気」など、謎の自信は置いておいて、冷静に自己判断をするのが肝心です。一般的に高齢者が熱中症になりやすいといいますが、それはなぜでしょうか。本書いわく「老化とともに温度の感度が鈍くなり、熱さやのどの渇きを感じにくくなってしまい暑熱環境のまま過ごしてしまうから。暑さに対する体温調整の機能も鈍くなるため、熱が体にこもってしまう」という理由から。高齢者だけではなく、子供や精神疾患のある方など、自己管理が難しい傾向にあるので注意が必要です。