この記事は書籍『かんたん!書き込み式 保険払いすぎ見直しBOOK』の内容を抜粋したものになります。
※以下、書籍より抜粋
がん保険 治療費より生活費をどうするか
がんについて誤解していませんか?
がん保険は医療保険の一種です。「がん診断・治療一時金+入院・手術給付 金+特約」の組み合わせが主流ですが、最近は多様な保険が出ています。
がんというと恐ろしいイメージがありますが、誤解も多いようです。
がん治療は目覚ましく進歩しており、5年相対生存率は65.2%です。部位にもよるものの、早期に発見すれば回復する見込みは高いといえます。
また、がん家系だからと心配する声もあります。ところが、遺伝によるがんは、約5%だそうです。
年齢が上がるにつれて、がんに罹患するリスクが高まるのは事実です。とはいっても、その確率はだいだい半々。やみくもに恐れる必要はないといえるでしょう。
治療費の自己負担は他の病気と同じく3割
ところで、がんはお金のかかる病気だと思っていませんか。これもまた誤解です。
がんだけが、特別に高い治療費を取られるわけではありません。健康保険が適用されるので、自己負担は3割です。
入院や手術で治療費が嵩(かさ)んだときには、高額療養費制度が使えます。どんなに高い治療を受けたとしても、一般的な所得の人は月に9万円程度の負担ですみます。
健康保険が使える治療であれば、ほかの病気と自己負担は変わりません。
ただし、先進医療を受けると、そのぶんは全額が自己負担になります。
先進医療の中には、目が飛び出るような高額の治療もあります。たとえば、重 粒子線・陽子線治療にかかる費用は、約300万円です。しかし、これらの治療を受けられる施設は全国で19か所で、実際に治療を受けている患者は全体からみると少なく、大半は健康保険内での治療なのです。
では、がん保険は必要ないかというと、 そうではありません。
がんと診断された勤労者の34%が依願退職、または解雇されています。平均年収は診断前の約350万円から、約167万円まで落ち込むというデータもあります。
収入がおよそ半分まで減ったら、治療にも専念できません。
そんなとき、がん保険の給付があれば、ずいぶん助かるでしょう。
がん保険は治療費のためというより、生活費の保障として役に立つのです。
長尾義弘(ながお・よしひろ)
ファイナンシャルプランナー、AFP。お金のしくみ、保険のカラクリ についての得する情報を発信している辛口の保険評論家。徳島県生まれ。いくつかの出版社の編集部を経て、1997年に「NEO企画」を設立。出版プロデューサーとして 数々のベストセラーを生みだす。著書には『保険はこの5つから選びなさい』『お金に困らなくなる黄金の法則』(河出書房新社刊)などがある。
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