田舎暮らしで気になることのひとつに、「虫」があるのではないでしょうか。苦手な人にとっては大きな問題です。田舎暮らしでは無縁ではいられない虫について、実態や対策を知っておきましょう。
田舎で見かける代表的な虫一覧
自然の多い田舎では、害虫から無害な虫、または役に立つ益虫まで、さまざまな種類の虫が身近にいます。家や周囲で見かけることの多い主な虫についてまとめました。
蚊
夏の厄介な虫の代表格と言えば、まず挙げられるのが蚊でしょう。毎年のように刺される人も多く、完全に防ぐのは難しくもある、きわめて身近な害虫でもあります。
蚊は都会を含むいたるところで生息していますが、田舎では田んぼや水路、茂みなど、蚊が繁殖しやすい条件が揃いがちです。刺されると、かゆみや腫れといった不快感はもちろんのこと、種類によっては深刻な感染症の媒介元ともなるため、極力避けたいものです。
ハエ・コバエ
こちらも身近な害虫です。
人を刺すことはないものの、まとわりつくように身の回りを飛ばれたり、飲食物にとまったりと、不快感は少なくありません。それだけでなく、ハエは動物の死骸や糞などの汚物を好むことから、大腸菌などさまざまな病原菌を媒介してしまう危険があります。
コバエはショウジョウバエやキノコバエなどの小さなハエの総称です。人体に直接的な害があるわけではありませんが、水回りや観葉植物などどこにでも現れ、また大量発生することもしばしばあり、わずらわしいものです。
スズメバチ
虫というジャンルに限らず、人類にとって危険生物のひとつであるスズメバチ。
他のハチと違って攻撃性が高く、刺されるとアナフィラキシーショックなど場合によっては命にかかわることもあります。禍々しい姿や不穏な羽音だけで恐怖を覚える人も少なくないでしょう。春から秋にかけて活動し、なかでも繁殖期を迎える夏は危険度が増します。
樹液に集まるため、緑豊かな田舎で特に多く生息します。樹木だけではなく家の軒下にも巣を作るなど、人間と生活圏が重なるため、被害はレジャー時だけに留まりません。
ゴキブリ
不快害虫と言えば、ゴキブリを挙げる人が多いのではないでしょうか。下水や排水溝といった不衛生な場所を通り、また生ゴミや死骸などを好むため、衛生面の懸念が強い害虫です。さらに生命力・繁殖力が高く、撲滅するのはなかなか難しいとも言われます。
都市部でもごく一般的な虫ですが、田舎の場合、古いつくりの木造住宅では隙間があり、侵入しやすい・繁殖しやすいといった側面があるかもしれません。
アリ・シロアリ
アリも家の中に入ってくることがよくある虫です。
気づくのが遅れると、行列をなしていたり、家の中で巣をつくってしまったりということになりかねません。被害としては、見た目の不快さや食害、噛まれる危険はもちろん、家電製品のコードをかじって故障させてしまうこともあります。
より深刻な被害をもたらすのがシロアリです。床下などから侵入し、柱など家屋の木部、場合によってはプラスチックや断熱材まで食べてしまいます。最悪の場合は家屋の倒壊にもつながりますし、近隣にも被害が広がる恐れもあります。
アシダカグモ(クモ)
クモは一般的に、害虫を食べてくれるなど人間にとってメリットがある「益虫」とされます。しかし苦手な人にとっては家の中で見るとぎょっとするものです。
特にしばしば見られるアシダカグモは、とても長い脚をもった大型のクモで、見た目から怖がられることも多いでしょう。さらに、アシダカグモが見られるということは、そのエサとなるゴキブリやハエなどの害虫が同じ家の中にいる可能性を意味します。遭遇しないに越したことはないのかもしれません。
ムカデ・ゲジゲジ
害虫の中でも、噛まれると特に痛く、時にアナフィラキシーショックの危険もあるのがムカデです。
林野や畑の多い田舎ではムカデが多く、都会でも考えられないような大きさの個体に出会うこともしばしばです。家の出入口やちょっとした隙間、排水口などから侵入してきます。夏が活動期で、夜行性のため寝ているときに遭遇した、靴や布団に潜んでいたなどの
怖ろしい経験談も枚挙に暇がありません。
ムカデの仲間のゲジゲジもまたその姿から忌避されがちですが、こちらはゴキブリ・ダニ・シロアリなどを食べてくれる、実は益虫です。微弱な毒はもっているもののほとんど無害と言われます。とはいえ独特の見た目と動きの速さから、虫が苦手な人にとっては目にしたくない生き物のひとつでしょう。
カメムシ・カナブン
カメムシは、家に侵入してくるほか、干した洗濯物につく、玄関灯に群がるなど、身近に現れます。
カメムシの厄介さは、刺激を与えると放つ強烈な悪臭です。追い払ったり駆除したりするにも注意する必要があります。農作物や観葉植物への被害もあります。
カナブンもまた、家に入ってきたり洗濯物についていたりする存在感のある甲虫です。しかし、カナブンは特に害はなく、幼虫は落ち葉を食べて分解してくれる、どちらかと言えば益虫の部類に入ります。
いっぽう、姿の似たコガネムシは、幼虫も成虫も植物に被害を出す害虫であるため注意が必要です。
蛍
最後に挙げるのは、虫といってもむしろ目にすると嬉しい部類に入るかもしれません。ホタルは言わずとしれた発光する性質をもち、神秘的な見た目とふしぎな生態が興味を惹く生き物です。古くから夏の風物詩でありながら、清流にしか生息できないため、現代では見られる場所が全国でも限られています。
光っていない姿を知らずに家の中で見かけてびっくりしたという人もいるかもしれませんね。