長野県木曽地方の名物「すんき」をご存知ですか?実は、世界的にもとっても珍しい食べ物なんです!本記事では、すんきについての解説と、すんき料理を食べられるお店や、購入できる場所、そして昔ながらの食べ方もご紹介します。
「すんき」って何?
すんきとは、長野県木曽地方に300年以上もの昔から伝わる漬物のこと。木曽の伝統野菜である赤かぶの茎葉を、塩を使わずに乳酸菌で発酵させたものです。国内外でも大変珍しい漬物で、希少食材として「味の箱舟」にも認定されています(国際スローフード協会)。
長野県西部に位置する木曽町は、標高が高く寒さの厳しい風土。すんきの材料である赤かぶの栽培に適しています。また、塩が貴重な時代に、山深い土地で冬の野菜を保存する必要があったことから、塩を一切使わない製法が発達しました。これらの地理的条件より、すんきが生まれたのです。
すんきは、なぜか木曽地方のみでしか漬かりません。ほかの地域では、気候条件の違いが発酵過程に影響し、すんきの味にならないのです。地域で長年培われた伝統的な生産方法や、気候・風土などの生産地の特性が、品質などの特性に結びついているという点から、農林水産省の「GI産品」にも登録されています。
発酵食品のため、酸っぱいことが特徴です。すんきには、アレルギー症状の緩和や、感染症の予防に強力な機能性を発揮する乳酸菌が生息していることが確認されています。そのため近年では、健康食品としても注目されています。
すんきの昔ながらの食べ方3つ
1. すんきおかか
材料(2人分)
すんき:100g
鰹節 :2つまみ
醤油 :適量
作り方
- すんきの汁気を軽く切って、器に盛る。
- 鰹節と醤油をかけて、出来上がり。
2. すんき汁
材料(2人分)
すんき:80g
だし汁:250cc
味噌 :大さじ2
作り方
- 鍋にだし汁を入れ、火にかける。煮立ったら味噌を溶く。
- すんきを1.の鍋に入れ、煮立つ直前に火を止める。
- お椀に盛り付けて、出来上がり。
ポイント
すんきは汁ごと入れてOKです。具はすんき以外にも豆腐、油揚げ等をお好みで追加してもOKですが、すんきのみで食べるほうが本来の味を楽しめます。
3. すんき蕎麦
材料(2人分)
すんき:100g
蕎麦 :250g
鰹節 :適量(お好みで)
葱 :適量(お好みで)
蕎麦つゆ:600cc ※濃縮つゆの場合、表記にしたがって希釈しておく
作り方
- 蕎麦を茹でる。
- 鍋に蕎麦つゆを作り、一煮立ちさせる。
- お椀に蕎麦を盛り、すんきを乗せ、2.の蕎麦つゆを注ぐ。
- お好みで鰹節や葱を乗せて、出来上がり。