「ガテン系」って言葉、よく聞きますよね。力仕事をしているたくましい男の人が思い浮かびますが、そもそもの「ガテン系」の語源はご存知ですか?このページでは、ファッションや髪型にまで影響を与える「ガテン系」の言葉の意味を詳しくご紹介します。

「ガテン系」と聞いて、何を思い浮かべますか?

アナタは、「ガテン系」という言葉を聞いたときに何を思い浮かべますか?
白いタオル鉢巻を締めた工事現場の男性ですか?
それとも、ファッション性があってたくましいモテる男子でしょうか?

なんとなく「力仕事の似合う男性像」という意味を持つことはわかっても、そもそもの「ガテン系」の語源は知らない、という人が多いと思います。
「ガテン」とカタカナで書くくらいだから、もしかして外来語なのかも・・・?

しかし実際に「ガテン系」の意味を調べてみると、日本の有名雑誌が大きく関わっていることが分かりました。

「ガテン系」の語源はリクルート雑誌!

ガテン系という言葉は、リクルート出版から発行されている就職情報誌「ガテン」を語源としています。
雑誌「ガテン」は、土木や建築、メカニック、ドライバーなど、技術職や現業職などを対象にした求人雑誌です。つまり、そういった「力の要る仕事をする男性」が、「ガテン系」と呼ばれるようになったということです。

しかし、求人誌「ガテン」には、調理師など、いわゆる肉体労働ではない求人も多く募集されていました。「ガテン系=建築現場で仕事をする屈強な男性」というイメージは、求人誌ガテンの特徴の一部分を語源にしていることを忘れてはなりません。
本来であれば、メカニック、ドライバー、調理師なども皆「ガテン系」です。しかし、今はガテン系と言えば屋外の仕事で汗を流す男性像しか思い浮かべないですよね。

ちなみに、今も求人誌「ガテン」は発行され続けています。ガテン系求人や資格が一定の人気を得て、モテる男子の一要素として認められている証拠かもしれません。

「ガテン系」の本来の語源とは?

ガテン系という言葉の意味は、求人誌「ガテン」を語源にしていることが分かりました。しかし今度は、その「ガテン」の本来の意味とは何か?という疑問が浮かび上がります。

実は、「ガテン」とは「合点(ガッテン)」という言葉を語源しているそうです。
職人さんが仲間内で使う「合点・ガッテン・ガッテンだ」という言葉、なんとなく聞き覚えがありますよね。意味としては、「合点した=理解した・同意した・承知した」というイメージでしょう。つまり、仕事内容を聞いて了承したときに使われる言葉が「ガッテン」であり、それを縮めた言葉が「ガテン」ということになります。

求人誌「ガテン」は、現場で働く人たちが気持ちよく「ガッテンだ!」と叫べるような、価値観に合う仕事を紹介することをモットーとしています。イメージや流行にのらない仕事の選択をすすめる求人誌「ガテン」の意気込みが、語源から伝わってくるようです。

「ガテン系」は人手不足だった!?

求人情報誌「ガテン」が創刊されたのは1991年、つまりバブル全盛期でした。当時、現場仕事は「3K(=きつい・きたない・きけんを意味する)」と呼ばれるほどに人気が少なく、需要に比べて供給が追いつかない状況でした。今の「モテる男子」のイメージとはまったく正反対ですね。

そこで求人誌「ガテン」は、テレビやラジオのコマーシャル、及び新聞や電車内に集中的な広告を展開します。大規模な広告展開の中で、ガテン系仕事の利点や将来性が広く世間に知れ渡るようになりました。
明るくて元気な現場、資格が有する安定感、そして強さや安全性をアピールし、ガテン系の仕事の見直しが図られました。

今でも、残念なことに現場仕事の「3K」イメージは完全に払拭されてはいません。しかし、「ガテン系」という言葉に強いマイナスイメージを持つ人は少なくなっているように思います。
ファッションや髪型にも「ガテン系」という言葉が使われるようになった昨今は、「ガテン系」=「モテる男子」という意味づけもされるようになりました。