基礎化粧品やメイクはしっかりやっていても、髪がボロボロ……ということ、ありませんか?
毛髪診断士・元井里奈(もといりな)
前回は、「傷んだ髪に、どうやって立ち向かっていくべきか」というテーマで、まずは髪が死んだ細胞であり再生はしないという前提と、美容師さんとの意思疎通が大事ということをお伝えしました。
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今回からは、その次に重要になってくる、自宅でのヘアケアについてお伝えしていきます。
これは、今生えている髪をこれ以上傷めないことと、これから生えてくる新しい髪へのダメージを最小限にすることが目的になります。あくまで、今生えている髪を「補修」することがメインではないことに注意してください。死んだ細胞を補修することには限界がありますので、これから生えてくる新しい髪へ意識を向けることが大事です。
髪を傷める3つの原因
毛先から15cmずつステップワイズブラッシング
普段のヘアケアで、髪を傷めないために避けるべきものは、摩擦、高熱、紫外線です。まず、摩擦についてお伝えしていきます。
肌のコンディションに気を付けている方は、洗顔の際、ゴシゴシと肌をこすったりはしないと思います。髪も、それと同じです。特に傷んでいる場合は、摩擦でどんどんダメージが進行しますので、丁寧に扱いましょう。
摩擦に注意すべきシーンとしては、ブラッシング、タオルドライ、就寝時の髪の状態、ヘアゴムを使うときが挙げられます。
ブラッシングについては、いきなり頭頂部付近からブラシを入れ、上から下へ一気に通さないことです。ひっかかったり、ブチっと髪が切れたりしてしまうのはもちろん、摩擦も起こります。実際に行われた検証で、ブラッシングは、一回のストロークが長くなればなるほど髪に与えるダメージが大きくなることが分かっています。
そのため、毛先から15cm刻みくらいでブラシを通していくのが理想的です。まずは毛先15cm、次のその上の15cm、というふうに進めていきます。これをステップ・ワイズ・ブラッシングと言います。
タオルドライはバサバサ&ゴシゴシしない!
タオルドライは、バサバサ&ゴシゴシするのをやめましょう。髪は、濡れた状態が一番傷みやすいのです。もともと傷んでいる髪であれば、なおのこと。髪をタオルで優しく包んで、水分を吸収してあげる感覚でおこなってください。
また、髪が生乾きの状態で寝るのはやめましょう。寝ている間、髪は重たい頭と枕に挟まれており、寝返りすることもあるため、生乾きのデリケートな状態で寝ると摩擦で傷んでしまうことがあります。そのため、ドライヤーを使ってしっかり乾かしてからベッドに入るようにしましょう。
特に後頭部は一番毛量が多いこともあり、乾かし残しが多い部位でもありますので、最後にもう一度チェックしてみてください。