テレビのニュースや情報番組などで、値上げが取り上げられています。毎日の食料品や、光熱費など、家計を直撃するものばかり…不安ですよね。
いま、生活を守るために、どうすればよいのでしょうか?
新著『素人はボロ儲けを狙うのはおやめなさい 安心・安全・確実な投資の教科書』が話題の、経済評論家・佐藤治彦さんが解説します。(以下、佐藤さんの寄稿)
実質賃金はマイナス状況で、物価高が進む
岸田首相が1億総株主、資産所得倍増政策を打ち出しました。
若い人は知らないでしょうが、その名称は、岸田首相の所属する派閥、宏池会の首相である1960年代の池田勇人首相の所得倍増計画を思い起こさせます。
いま日本は過去30年間、経験したことのない物価高の環境に置かれています。
一部の大企業を除くと総じて実質賃金はマイナスという状況の中で、物価高が進んでいるのです。
食料品や光熱費の値上げで家計を直撃
この2年の間にも、モノの価格が上がるということはありました。新型コロナウイルス感染防止によるステイホームの影響を受け、パソコンや白物家電といった耐久消費財が人気で品薄になり、実質販売価格が上昇したのです。
でも、今回は様相が違います。値上げの主体は、パンや食用油、マヨネーズにケチャップ、ビール、コーラやジュースなどの清涼飲料水、インスタントラーメンや冷凍食品に至るまでのほぼ全ての食料品に加え、トイレットペーパーなどの日用品。回転寿司、ハンバーガーやフライドチキンなどのファーストフードや、ラーメンや立ち食いそばなどに至るまでの庶民向け外食。
さらに電気代、ガス代、ガソリン代といった生活必需品、生活に欠かせないものが値上げの中心なのです。
※イメージです(以下、同じ)
同じ物価高でも、衣類や耐久消費財などは我慢して買うのを先延ばしにもできます。しかし、毎日の食料品や光熱費はそういうわけにはいきません。
すでにほとんどの家庭で節約はし尽くしています。乾いたぞうきんをさらに絞るような生活です。今回の物価高は、全ての家計を直撃するのです。