銀行員は業務上お金持ちと接する機会が多いため、お金持ちの世界を知ることは比較的容易です。また、長く生きるほどお金持ちの世界を垣間見る機会は増えます。そんなお金持ちの世界には、庶民目線で見るとびっくりするエピソードも少なくありません。そこでこの記事では元銀行員のアラフィフライターが遭遇した「お金持ちびっくりエピソード」を5つ紹介します。
小学生への誕生日プレゼントが「土地」?
資産家が小学生の孫にプレゼントしたのは「土地」
とりわけスケールの大きさを感じたエピソードが、小学生のお孫さんの誕生日に「土地」をプレゼントした資産家の話です。誰もが「あのお宅ならありうる」と考えましたが、それでも非常に驚いた人は多かったようです。
地主の資産家には相続対策で子孫に土地を分ける人が多い
その資産家は先祖代々の地主であり、地域に広大な土地を所有していました。そのようなお宅では、相続税対策として親や祖父母が子どもや孫に土地を贈与することも珍しくはありません。しかし、小学生の誕生日プレゼントに土地を贈与する話はさすがに珍しいケースです。「世の中には庶民の想像を超えるお金持ちがいるものだ」とつくづく思いました。
他人の食べ残しを持ち帰る「お金持ちの奥様」
「お金持ちの奥様」には別の顔がある?
次は、お葬式で遭遇したお金持ちのびっくりエピソードです。親戚のお葬式に参列するために訪れた町には、お金持ちが数多く住んでおり、町内会では慣例として総出で葬儀を手伝います。お金持ちの家も例外ではなく葬儀にはお金持ちの家から高齢の奥様方が手伝いに来ていました。彼女たちが慣れた様子で采配を振るう姿は堂々としており「お金持ちの奥様」としての貫禄も十分でした。
しかし、葬儀後の精進落としのとき、そんな奥様方の「別の顔」を見てしまいました。
「お金持ちの奥様」が精進料理の食べ残しをお持ち帰り
精進落としの料理はボリュームがあり、多くの人が料理を残しました。すると、お金持ちの奥様方が一斉にふた付き容器を取り出し、テーブルに残った料理を集めて容器に詰めだしたではありませんか。奥様方が言うには、「戦前戦後の食糧難の時代に育ったので、食べ物を粗末にすることが許せない」とのこと。周囲もその光景には慣れているようで「これも持ち帰っていいよ」と言う人もいました。
たしかに食べ物を粗末にしない人はお金も粗末にしないものです。また、その心がけはお金持ちが財産を守るために必要かもしれません。それでもなお「お金持ちの奥様がそれでいいの?」と疑問に思ってしまいました。
70万円の楽器を「安い」と言った開業医夫人
今度は、新入行員時代のお金持ちびっくりエピソードを紹介します。「今度電子オルガンを買うので定期預金を解約したい」と窓口に来たのは、地元で評判のいい開業医の奥様でした。窓口で奥様がテラー(窓口)と話している様子を横目に仕事をしていたら、こんな会話が聞こえてきたのです。
テラー「電子オルガンもいいものは高いんですよね」
奥様 「そうね。でも私が買うのは70万円の安い機種よ」
テラー「……あ、そうなんですね」
70万円の電子オルガンが実際にどの程度価値があるかはわかりません。しかし、70万円の楽器をさらっと「安い」と言ってしまえる奥様を見て「お金持ちの奥様はやっぱり違うなあ」と素直に感心したことを覚えています。