20代の頃、自分が40代になったところを想像したことはありましたか?今振り返ってみて「あの頃、これを始めておけばよかった」と思うことはないでしょうか?
現在40代独身の皆さんが今から約20年後に迎えるのが定年、老後の生活です。そこで考えるべきなのは「お金」です。
20年後に「40代のうちから始めておけばよかった」と後悔しないように、今から老後のお金の対策を始めましょう。
給与収入がなくなる老後、収支はどう変わる?
老後の収入といえば65歳になったらもらえる「老齢年金」。厚労省の資料によると、女性の平均年金月額は10万2,708円です。これに対して出費がいくらかかるかというと、毎月の平均の生活費が15万353円です(総務省「2016年度家計調査」)。
これだけみると、年金生活では月々約5万円の赤字が発生してしまいます。女性の平均寿命は87.14歳ですから、65歳の定年から約22年。足りなくなるお金の合計額は、「毎月の不足分5万円×22年=1,320万円」です。ただしこれは足りなくなるかもしれない、“最低限準備しておきたい金額”であって、十分な額ではありません。
それでは老後を安心して暮らせるお金を準備するために考えておくべきことは何でしょうか?お金を増やすには以下の3つの方法しかありません。
(1) 支出を減らす
(2) 収入を増やす(働いて稼ぐ)
(3) 投資・資産運用する(お金に働いてもらう)
それぞれの項目について考えたいことはたくさんありますが、ポイントをしぼって考えてみましょう。
支出面では「住まい」がポイント
支出面では大きな割合を占める「住宅費」について考えておきましょう。これは持ち家か賃貸かで大きく事情は異なりそうです。
賃貸の場合は住み替えができ、家賃や立地などを自由に選べることがメリットですが、家賃を払い続けなければなりません。高齢だと入居を断られることもあります。一方、持ち家の場合はローンの支払いさえ終えれば、固定資産税などの維持費だけで済みます。ただマンションの場合は管理費も必要ですし、住み替えはしにくいかもしれません。
収入面で安心するために「働き方」を考えよう
老後の生活が心配になるのは、年金以外の「収入」源が絶たれるからではないでしょうか。それなら、「年金以外の収入源を持っておく」という選択肢を検討してはいかがでしょうか?
勤務先に雇用延長制度がないか確認してもいいですが、「もし老後に自分が楽しく働けるとしたら、どんな仕事か?」「自分は何をしているときにやりがいを感じるのか?」と考えてみるといいでしょう。
現役時代の様に、バリバリと働く必要はありません。月に5万円程度の収入で良いのです。趣味で取得したヨガやリラクゼーションの資格を活かして自宅サロンを開く、PCスキルを活かしてウェブサイトの作成やデザインをする、経理の経験を活かして事務代行をする――など選択肢はいろいろあります。
今からその目標に向けて、休日にボランティアをするなどして活動の幅を広げておきましょう。それが今のお仕事と関係なくても、将来につながることですし、新しい交流も生まれます。新たな自分に出会えるかもしれません。
資産運用・貯蓄で資産づくりを 20年の時間をしっかりかけて
最後の「投資・資産運用」ですが、「難しそう」「分からない」と決めつけてやっていない人も多いはず。そういう人は銀行にお金は預けっぱなしなのでしょう。しかし20年かければ、リスクの高い、難しい投資をしなくてもお金を増やせる可能性があります。
例えば、銀行に毎月2万円、年利0.02%で20年預け入れをした場合、元金と利息の合計は480万9,573円です。このうち利息は9,573円です。これに対し、年利3%で運用できたとしたら656万6,040円になります。このうち利息は176万6,040円です。
今から投資を始めることで、20年後にもらえる額が1万円か176万円かの違いがでるのです。もちろん投資に絶対はなく、元金が減ってしまうかもしれません。また銀行の預金金利がもっとあがるかもしれないですが、計算上は大きな差が出ることは確認しておきましょう。
「未来の家計簿」を付けて老後を具体的にイメージしよう
それでも漠然としていて「ピンとこない」という人には「未来の家計簿」を付けることをオススメします。これは将来、「老後に時間ができたら、こんなことをしたい」という思いを具体的にイメージするのが目的です。将来の生活費や娯楽費など、生活に必要なお金、やりたいことにかかるお金を年単位で書き出します。もし「特にお金がかかることをしたいと思っていない」という人は、今の生活費を書き出してみるとよいでしょう。
アラフォー・40代は、社会人になって老後を迎えるまでの折り返し地点です。今までのキャリアを踏まえ、これまでと同じではなく、キャリア後の生き方の準備を始める時でもあります。今や人生100年時代……豊かな老後を手にするためにも、1日も早く「老後のお金」をリアルに、そして前向きに考え始め、1日でも多く準備に費やしたいものです。
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