「実家問題」や「空き家」という特集ページを目にすることも多くなりましたね。確かに、ふと気がつけば、実家の両親もそれなりの年齢になっていて、「もし実家が空き家になったらどうなるの?」と不安に感じることもあるのではないでしょうか。

そこで今回は、実家が空き家になったときに考えられる問題点や、将来的な活用方法などについて紹介します。

実家が空き家になったときの問題点

(写真=Unuchko Veronika/Shutterstock.com)

「もし実家が空き家になってしまったら……?」

今すぐの心配事ではなくとも、なんとなく近い将来に現実になるかもしれないと感じたことはありませんか?

社会人となってからも子どもたちが変わらず実家で暮らしている、あるいは、社会人になってから実家に戻ってくる。そんなケースはごく稀でしょう。そうなると、実家に誰も住む人がいなくなった後は、確実に「空き家」になってしまいます。

しかし、空き家になったからといっても、すぐにはどうにもできないのが現実ですよね。「とりあえずは現状維持」という選択をしつつ、今後のあり方を考える場合、「現状維持」をするにも次のような問題点が出てきます。

固定資産税がかかる

たとえ空き家になったとしても、土地や建物に対しては「固定資産税」がかかります。将来的には処分を考えていても、所有している限り必要となる費用です。新たに予定すべき費用としては、決して少ないものではありません。

戸建ての固定資産税に関しては、「建物がある」「建物を解体して、さら地にする」「特定空き家に指定される」のうち、どのケースになるかで税額が大幅に変わるため、注意しなければなりません。この固定資産税の税額については、後で詳しく解説していきます。

維持管理費がかかる

帰省時にも、ある程度は実家で過ごせるようにしておくためには、「維持管理費」が必要になることもあります。誰も住んでいない家は管理が行き届かず、荒れた印象になってしまうことは避けられませんが、空き家であっても帰省する場所として維持しておきたい場合もあるでしょう。

例えば、庭の植木の手入れや雑草対策、建物の老朽化を緩和するために定期的に窓を開けて通風をしてもらうなど、数万円程度の管理費は想定しておかなければなりません。

老朽化の心配がある

もともとかなりの築年数が経っている場合、空き家となることでさらなる老朽化の心配が出てきます。

老朽化が進むとどのような危険があるかというと、屋根からの雨漏りで内部が腐食していき、屋根や建物の倒壊につながる危険性や、塀が老朽化し地震で倒れるなど建物自体の危険性、さらに、通行人や近隣住民に迷惑がかからないかということも心配になります。

防犯上の心配がある

空き家であることで防犯上の心配も考えられます。例えば、無断で空き家を利用する人が現れたり、ゴミを勝手に捨てられたり、不審火が起こる危険性もあり得ます。

実家が、今自分が住んでいる地域からずっと遠くにある場合、留守中の家の様子を確かめることさえ困難でしょう。

解体費用がかかる

建物の老朽化の危険を避けるために、思い切って住宅を解体するとした場合、もちろん解体の費用がかかってきます。

大きさにもよりますが、住宅の解体費はおよそ100万円前後は必要となるでしょう。ただし、さら地にすることで固定資産税の負担が増えるケースもあるため、安易に解体工事を進めるのは避けたいところです。