親や家族の介護をしている人がみなさんの周りにもいると思います。親にはいつまでも元気でいてほしいですが、だんだん年を取り、日々の生活を送るのに人の手を借りなければならなかったり、突然のケガや病気で身体に障害が残ったりする場合も考えられます。

自分が休む時間が取れず、仕事と両立することが難しいと感じる場合があるかもしれません。そのような時に活用できる制度に、「介護休暇」と「介護休業」があります。

「介護休暇」「介護休業」は法律に規定され、取得することが守られている権利です。申請、取得することによって労働者側が不利益になるようなことが禁止されています。積極的に活用しましょう。

ここでは、平成29年1月1日以降に休業を開始する場合の雇用保険の介護休業給付について解説します。

介護休業給付金とは?

介護休業給付金は、2週間以上の期間、常時介護を必要とする家族を介護するための休業に対して支払われます。

対象となっている家族は、父母(養父母を含む)の他に、配偶者(事実婚を含む)、子(養子を含む)、配偶者の父母(養父母を含む)、祖父母、兄弟姉妹、孫です。

雇用保険の被保険者で、休業後に職場復帰予定の人が給付の対象となります。有期雇用の人は、介護休業開始予定日から起算して93日を経過し、その後6ヵ月以上引き続き雇用される見込みがあることが必要です。

また給付金を受けるには、介護休業開始前2年間に、基本給が支給された日数が11日以上ある完全月が12ヵ月以上なければなりません。離職して雇用保険の基本手当の受給資格の決定を受けたことがある人はその後の期間が該当します。

さらに、介護休業期間中の1ヵ月に、介護休業の開始前の1ヵ月あたりの賃金の8割以上の賃金が支払われていないこと、1ヵ月ごとの支給単位期間の就業日数が10日以下であることなどが要件になります。

対象となる休業

介護休業給付金は、介護休業の休業期間を明らかにして事業主に申し出を行い、実際に取得した休業に対して支払われます。

支給対象となる同じ家族について、例えば一度介護給付金を受けたことがある場合でも、介護状態が悪化するなど状態が変わったことによってもう一度取得した介護休業についても、1人につき93日を限度に3回まで支給されます。

支給額はどのくらい?

介護休業を開始する前6ヵ月の賃金を180で割った額(賃金日額)×支給日数×67%が介護期間終了後に支払われます。

賃金月額の上限は492,300円。74,100円を下回る場合は74,100円になります。(平成30年7月31日までの額)

介護休業期間中に働いた場合でも、支給単位期間中に働いた日数が10日未満で、かつ支払われた賃金と賃金日額×支給日数×67%の合計が、賃金月額(賃金日額×30)の80%未満であれば給付金を受けることが可能。

その場合の金額ですが、働いて支払われた賃金が賃金月額の13%以下の場合は、賃金日額×支給日数×67%相当額は全額支給、13%超80%未満であれば、賃金月額の80%と賃金との差額の支給となります。

手続きの方法

介護休業給付金の支給を受けるためには、事業主が、「雇用保険被保険者休業開始時月額証明書」と「介護休業給付金支給申請書」をその内容を確認できる賃金台帳や出勤簿などの添付書類を添えて、事業所の所在地を管轄するハローワークへ申請します。

給付金制度を利用したいと思った方は、申請窓口となっているハローワークに問い合わせて確認してみましょう。

育児介護休業法の改正

平成29年1月1日の育児介護休業法の改正で、介護のための短時間勤務が介護休業とは別に取得可能になるなど、介護と仕事の両立を支援する制度が拡充しています。介護保険制度や、会社独自の両立支援制度も確認しておきましょう。

文・藤原洋子(ファイナンシャルプランナー)

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