子どもがいるアラフォーのシングルマザーの中には、「自分は転職には不利なんじゃないか」と思っている人もいるでしょう。子どもの保育園送迎などの理由で時短勤務を希望する人もいるでしょうし、急な発熱での呼び出しというケースもあり、そう考えるのも仕方ない部分もあります。

ビジネスパーソンが転職、キャリアアップしてサラリーを増やしていくように、シンママで「転職して収入をアップしたい!」と考えている人もいるでしょう。

限られた時間の中で、シンママが効率的に転職活動をするために外せないポイントとはどんなものでしょうか。

「譲れない」条件を決めよう

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転職を考えたときに最初にやるべきことは、「自分が譲れない条件を決める」ことです。

1. 勤務地、通勤時間 子どもの体調不良など突発的な状況に対応できる範囲で

保育園や幼稚園の送り迎えをどうするか、子どもが病気になったらすぐに対応できるかどうか、自分の親の近くに住んだほうがいいのか……。

家族の状況や事情によって、勤務地や通勤時間の条件は変わります。転職後のライフスタイルは家族とも相談したうえで、あらゆる事態に対応できる勤務地を決めましょう。

2. 雇用形態、役職 責任が重くなれば給与も高く

厚生労働省の「雇用形態別の賃金」の統計によると、女性の賃金は、正社員・正職員が26万3,600円、正社員・正職員以外が18万9,700円となっています(「平成29年賃金構造基本統計調査」)。雇用形態の違いで、お給料に大きな違いがでています。

同じ調査で役職別の給与を見ると、部長級が60万1,600円、課長級が47万1,200円、係長級が35万900円となっている一方で、非役職者は21万1,300円です。係長と非役職者との間にも、なんと約14万円の違いがあります。

「自分には昇進は無理」「管理は向いていない」と恐れず、今後のキャリアアップを視野にいれた求人を探したいところです。

強力な右腕「転職エージェント」を使い倒そう

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転職では、ウェブサイトや求人媒体での情報収集が欠かせませんが、それ以上に重要なのが、自分の「強み」をいかにわかりやすく相手先企業に伝えられるか、ということです。

シンママの強力な右腕となってくれるのは、転職エージェントです。大手では「リクルートエージェント」や「マイナビエージェント」があります。転職エージェントは多くの企業の採用情報を持っているので、実際にシンママが採用された事例を聞くこともできるでしょう。

転職エージェントを通して求人に申し込んだ場合、アドバイザーが相手先企業に「推薦状」を書いてくれます。

「この人はこの強みや経験が、あなたの会社の戦力になりますよ」と、第三者の目でアピールしてくれるのです。「シンママはうちの会社に合うのかな?」と不安に思う企業からも理解を得られやすくなります。

双方が採用後「こんなはずじゃなかった」とならないために、アドバイザーには、最初に「自分にとって譲れない条件」をしっかり伝えましょう。

難易度の高い資格にチャレンジする

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転職で収入アップを目指すには、他の人と差がつくポイントも欲しいところです。難易度の高い国家資格取得を目指すことも選択肢の一つになります。

社会保険労務士は、人事・労務管理・社会保険のエキスパートです。働き方の多様化で労務面に課題を抱えている企業は多く、活躍の場は広がっています。

ほかにも中小企業診断士は、経営コンサルタントとしての国家資格です。企業に勤めるだけでなく、独立してフリーランスのコンサルタントとして働くことも可能。行政書士なども、まず目指す国家資格として人気があるようです。

これらの資格をとるにはそれなりの学習時間が必要ですが、取得できればキャリアアップにつながるので、一度検討してみてはいかがでしょうか。

資格取得のための助成金がある

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資格取得はお金もかかるものですが、シンママが資格を取得するときに利用できる助成金があります。

「自立支援教育訓練給付金」は、シングルマザーまたはシングルファーザーの能力開発の取り組みを支援するものです。対象教育訓練を修了した場合、経費の60%(1万2,001円以上で20万円を上限)が支給されます。

「自立支援教育訓練給付金」の対象となる講座は、雇用保険制度の指定教育訓練講座である必要がありますので、対象となる講座かを事前に確認しましょう。

シングルマザーは大きな戦力である!

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シンママが持つポテンシャルに注目し、「シングルマザー採用」をしている会社もあります。その一例に挙げられるのが、東京・練馬に本社がある牧野電設株式会社です。

人手不足が深刻な建設業界では、人材確保が大きな課題。この会社は技術者がする仕事・技術者でなくてもできる仕事を見直して整理することで、従来専門的な勉強をした学生が中心だった採用方針を見直し、未経験者を募集できるようになりました。

そこで、働くことに高い意欲があるシングルマザーの存在に着目したのです。

転職において「シンママだから不利」ということは決してありません。あなたが仕事に対してどれだけの成果が出せるかどうか、そこにかかっているのです。自分自身の人生をよりよくするために、積極的にチャレンジしてみましょう。

文・米澤智子(2級ファイナンシャル・プランニング技能士/AFP)

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