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2019/07/09

保険金の受け取り、税金はいくらかかる?種類別の計算方法を解説

(写真=Princess_Anmitsu/Shutterstock.com)
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保険金や年金などを受け取った時、税金がいくらかかるのか気になりませんか?受け取り時に発生する税金の仕組みは複雑ですが、契約内容により税負担も変わるためざっくりと知っておきましょう。保険金の種類や契約形式別に、税金の内容や計算方法を解説します。

保険の受け取りにかかる税金は複雑!

(写真=Hanna Kuprevich/Shutterstock.com)

まず知っておきたいのは、保険の受け取りにかかる税金は契約者、被保険者(保険の対象となる人)、受取人がそれぞれ誰なのかによって変わるという点です。契約者と被保険者が同じ場合や契約者と受取人が同じ場合、契約者・被保険者・受取人がすべて異なる場合など、さまざまな契約形式があるためとても複雑といえます。

課税対象となる保険としては、死亡保険金をはじめ満期保険金や解約返戻金、年金保険金などがあります。契約形式によって異なるものの、いずれも基本的に所得税や贈与税、相続税などの税金はかかると覚えておきましょう。

医療保険の給付金は非課税

(写真=violetblue/Shutterstock.com)

税金がかからない非課税の保険金としては、病気やケガをした際に受け取れる入院給付金や手術給付金、高度障害保険金といった「死亡を伴わない医療保険の給付金」が挙げられます。がん診断給付金や6ヵ月以内の余命宣告を受けた際に死亡保険金の一部が生前給付されるリビング・ニーズ特約保険金、長期療養に備えた就業不能保険金なども非課税対象です。

これらの給付金は「不慮の事故や疾病などにより受け取れる給付金」として法令で定められているので、どの保険商品でも非課税となります。

死亡保険金の受け取りにかかる税金

(写真=Satoshi Mats/Shutterstock.com)

ここからは課税対象となる保険金を紹介しますが、代表的なものとして死亡保険金が挙げられます。被保険者の死亡時に受取人に支払われる保険金で、終身保険や定期保険などに備わっているものです。前項で触れたように税金の種類は契約者、被保険者、受取人が誰なのかによって変わりますが、死亡保険金では3種類の契約形態があります。

ケース1 契約者と受取人が同一人物、被保険者は別

分りやすいように、夫・妻・子どもという形の家族構成に置き換え考えてみましょう。まずは「契約者・受取人とも妻で被保険者は夫」という契約者と受取人が同じ場合ですが、妻の所得になるため「所得税」がかかります。所得税とは何かの手段で所得を得た時にかかる税金で、この場合は労働や資産の譲渡・売却による対価とは異なる「一時所得」とされ、所得税に加えて住民税も発生します。

「一時所得」の金額は、受け取った保険金から払い込んだ保険料と特別控除額50万円を差し引いた金額です。課税の対象になるのは、これをさらに半分にした金額。保険金と保険料の差額分がマイナスとなる場合は課税されません。

ケース2 契約者と被保険者が同一人物、受取人は別

「契約者と被保険者が夫、受取人が妻」のように契約者と被保険者が同じで受取人は違う場合は「相続税」の対象です。亡くなった夫が支払っていた保険料をもとにした保険金なので、相続により妻が財産を得た際にかかる税金として扱われます。

この場合の死亡保険金は残された家族の生活保障という目的を担っているため、一定の金額までは非課税となる税法上の特典も。受け取る人が法定相続人の場合は「500万円×法定相続人数」の金額が非課税となるなど、一般的に3種類の契約形態の中では最も課税負担が軽減されます。ただ、受取人が相続人以外の場合は非課税の扱いは認められていません。

ケース3 契約者、被保険者、受取人が全て別

「契約者が夫、被保険者が妻、受取人が子ども」のような契約者、被保険者、受取人がすべて異なる場合は、「贈与税」として課税されます。生きている契約者である夫が支払った保険料をもとにした妻の死亡保険金を子どもが受け取る形になることから、「生存する個人から財産を受け取った時」にかかる贈与税となるわけです。

死亡保険金を贈与する際には、受け取った死亡保険金の金額に課税されます。贈与税には110万円の基礎控除額があるため、受け取った死亡保険金から110万円を差し引いた残りの金額となります。保険金と払い込み保険料の差額分だけに課税される「所得税」とは異なり、基本的に契約形態の中で課税対象額が一番高くなります。

満期保険金や解約返戻金の一括受け取りにかかる税金

(写真=JHK2303/Shutterstock.com)

生存保険や養老保険などが満期になった時に受け取れる満期保険金や、終身保険などを途中解約した時に戻る解約返戻金も、死亡保険と同様に課税対象となります。満期保険金・解約返戻金とも契約者と受取人が誰かということで税金の種類が違ってきますが、基本的な解釈は死亡保険金と同じです。

「契約者・受取人とも夫」のように契約者と受取人が同じ場合は「所得税」の対象となります。夫が支払った保険料がもととなる満期保険金や解約返戻金を自分で受け取るので、夫の「一時所得」という扱いです。

一方で「契約者が夫、受取人が妻や子ども」など契約者と受取人が違う場合には「贈与税」がかかります。妻や子どもは自分以外の生存している人が支払った保険料をもとにした満期保険金や解約返戻金を得るため、「贈与によって取得した財産」として扱われるのです。

年金としての受け取りにかかる税金

(写真=eggeegg/Shutterstock.com)

所定の年齢に達した時以降に一定期間または一生涯にわたって継続的に受け取れる個人年金保険金なども、やはり契約者と受取人が誰かによって税金の種類が変わってきます。

「契約者・受取人とも夫」のように契約者と受取人が同じ場合は、夫が自分で積み立てた保険金を自分で受け取るため「所得税」の課税対象です。ただ、年金は一時的な所得ではなく継続的に受け取るものなので、他の所得分類のいずれにも当たらない「雑所得」として扱われます。

「契約者が夫、受取人が妻や子ども」など契約者と受取人が違う場合には、初年時は「贈与税」、その後毎年受け取る時は「所得税」とやや複雑な課税方法になるのでご注意ください。初年度はこれまで説明した通り「贈与によって取得した財産」とみなされますが、2年目以降は継続的な「年金としての雑所得」となり毎年課税されます。

受け取る時のことまで考えた保険契約を

保険金の受け取りは契約内容によって税金の種類が分かれ負担額の計算方法も違ってくるので、どのような契約形態がよいのか事前に考えておく必要があります。計算式や料率などはかなり複雑なため、不明な部分は契約する前に保険会社やファイナンシャル・プランナーなどにしっかりと確認しておきましょう。

文・渡辺友絵(ライター・編集者)

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