新型コロナウイルス感染症の対策として、自粛要請や自宅待機などが行われ、多くの方が経済的に影響を受けました。中でも、子育てと仕事を一人でこなしているひとり親世帯への影響は大きく、子育ての負担の増加と収入の減少とで困難が生じている世帯もあります。そうした世帯に対して、「ひとり親世帯臨時特別給付金」の支給が開始されています。この制度は、申請が必要なものもありますので、自分が該当するかもしれない方や支援されている方は、内容をよく確認なさってください。

ひとり親世帯にとっての支援制度の重要性

ひとり親世帯とは、満20歳未満で未婚の子どもが母親か父親のどちらかに養育されている世帯のことをいいます。

厚生労働省の調査によると、ひとり親世帯のおよそ9割が母子世帯で123.2万世帯。祖父母などと同居していない母子世帯の収入は243万円、就職状況は81.8%と高いものの、非正規雇用の割合が父子世帯の6.4%に対して43.8%を占めているという結果になっています。

貧困率は母子世帯51.4%、貧困線の50%に満たない世帯の割合も高く、ふたり親世帯では0.5%であるのに対して13.3%です。支援を必要としている方が多くいらっしゃることが伺えます。

支給対象者と給付金額

基本給付と追加給付があります。支給対象者と給付金額がそれぞれ異なっており概要は以下になります。こちらは厚生労働省の案内になり、お住まいの市区町村によって独自の給付金がある場合がありますのであわせてご確認ください。

基本給付

児童扶養手当を受給しているひとり親世帯の方、児童扶養手当法に定める養育者の方への給付です。給付額は1世帯5万円、第2子以降ひとりにつき3万円となり、給付金の対象となるのは次の方です。

①    令和2年(2020年)6月分の児童扶養手当が支給される方。

②    遺族年金、障害年金、老齢年金、労災年金、遺族補償などの公的年金を受給しており、令和2年(2020年)6月分の児童養育手当の支給が全額停止となる方。

児童扶養手当の申請をしていれば、全額または一部停止されたと推測できるかたも対象となります。

③    新型コロナウイルス感染症の影響を受けて家計が急変するなど、収入が児童手当を受給している方と同じ水準となっている方。

追加給付

新型コロナウイルス感染症の影響を受けて家計が急変し、収入が減少した方への給付です。給付額は1世帯5万円受け取ることができます。

基本給付の①、②に該当する方のうち、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて家計が急変し、収入が減少した方が対象になります。減少額は、一律の基準は設定されず、自己申告で柔軟に認定してもらえるようです。税金などが確定し結果的に減少していない場合でも、返還は求められません。少しでも減少した方は、申請なさってください。

受給手続きの方法

支給対象者①の基本給付は手続き不要

上記①に該当する方は、基本給付は申請不要、令和2年(2020年)6月分の児童手当が支給されている口座に、可能な限り8月までに振り込まれます。

追加給付は申請が必要です。定例の8月現況確認時に合わせて申請内容を確認して、9月以降に振り込まれます。

支給対象者②、③は要申請

②に該当する方は、基本給付、追加給付ともに申請が必要です。③に該当する方は基本給付の申請が必要です。

申請方法・必要書類

申請書に振込口座などを記入して、申立書、給与明細書や公的年金証書など所得を証明する書類といっしょにお住いの市区町村の窓口に、持参または郵送で提出します。自治体ごとに様式や必要な書類が定められていますので、担当の窓口に問い合わせて詳細をご確認ください。

ひとり親世帯等への自立支援策

ひとり親世帯等への支援は、「子育て・生活支援」、「就業支援策」、「養育費確保支援」、「経済的支援策」を4本柱として行われています。困難な状況にある方、相談したい悩みのある方は、お住まいの自治体の窓口にお問い合わせになってみてはいかがでしょうか。解決の糸口が見つかるかもしれません。

 
  文・藤原洋子
所属・FP dream代表
生命保険会社で営業職を経験し、AFP資格を取得。現在は、独立系ファイナンシャル・プランナーとして、執筆、相談、セミナーを通して活動しています。

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