保険という言葉の中でも、特にイメージしやすい保険として「医療保険」があります。しかし、「医療保険はどういう保険なのか?」「どういう基準で加入を決めるべきか?」について説明できる方は少ないのではないでしょうか?今回は、医療保険の基礎から保険選びのポイントまでご紹介していきます。

そもそも医療保険ってどんな保険?

(写真=PIXTA)

医療保険とは、ケガや病気などにより医療機関で治療を受けた際、その医療費を保障してくれる保険のことです。医療保険はすべての日本国民が加入することになる公的医療保険と、民間の保険会社で加入する民間医療保険に分かれます。

本記事では、民間医療保険の加入ポイントについてご紹介していきます。

医療保険を選ぶ際のポイント3つ

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医療保険を選ぶ際のポイントは次の3点です。

ポイント1.主契約(ベースとなる保障)の内容

医療保険の主契約は、入院した際の入院日数に応じて支払われる「入院給付金日額」と所定の手術を受けた際に給付される「手術給付金」の2つです。

現在の医療保険では、「入院給付金日額」に所定の倍率をかけた金額が手術給付金額になる商品が一般的です。以下では入院給付金日額の考え方についてご説明します。

ポイント2.入院給付金日額はいくらに設定するのが良いか?

そもそも、医療保険では何を保障するのでしょうか?

医療保険では、公的医療保険でカバーできない部分を保障するという考え方が基本になります。公的医療保険でカバーできない部分とは、個室の病室を利用した場合の差額ベッド代や、家族がお見舞いに使うタクシー代などの雑費などです。

厚生労働省の「主な選定療養に係る報告状況」によると、2018年度の1人部屋にかかる平均費用は7,097円となっていますので、入院給付金日額は1万円にしておけば十分でしょう。

ポイント3.給付金支払限度日数は何日がベストか?

医療保険を選ぶポイントとして、給付金の支払限度日数を選択する必要があります。一般的な医療保険では60日型や120日型、180日型などさまざまな型がありますが、これは一度の入院で何日分の医療給付金を受け取るかの限度を決めるための設定です。

もちろん長いほど、毎月支払う保険料は高くなるので、適切な日数を設定することが重要となります。近年は医療の発達なども含め、在院日数も短くなってきています。

厚生労働省の「患者調査の概況」によると2017年時点で、平均在院日数は30.6日となっており、給付金の支払限度日数は60日を設定すれば十分といえそうです。

特約は何を付けるべきか

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保険は、主契約だけでは保障できない範囲についても保障できるように、特約を付けることが可能です。この項では、特約の種類やおすすめの特約をご紹介します。

特約の種類を理解しよう

特約には主に次のような特約があります。

・ 通院特約
病気やケガで通院した場合に給付金がもらえる特約。

・ 三大疾病特約
がん・脳卒中・急性心筋梗塞にかかった場合に給付金がもらえたり、保険料免除となったりする特約。

・ 先進医療特約
公的医療保険が利かない、先進医療を利用した場合に給付金がもらえる特約。

・ 生活習慣病入院特約
糖尿病などの生活習慣病に対して、入院給付金や手術給付金を手厚くする特約。

・ 女性疾病特約
女性特有の病気に対して入院給付金や手術給付金を手厚くする特約。

その他保険会社によって付加できる特約が異なりますが、どの保険会社でも上記の特約は自由に付加できることが一般的です。

特におすすめの特約は?

この中で特におすすめなのは先進医療特約です。先進医療特約の活躍の場面は、まさに公的医療保険では保障できない「先進医療」が必要になった場合に、利用できる特約であり、「先進医療」にかかる金額は数百万円にのぼる場合もあります。さらに、この先進医療特約は一般的に数百円程度で付けられる場合がほとんどです。

ただし、保障対象となる先進医療については保険会社に確認しましょう。

終身と定期の違いは?保険期間の考え方

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医療保険を決定するための要素に、保険期間があります。保険期間は大きく分けて、定期タイプと終身タイプがありますが、それぞれの特徴と30代・40代女性の場合の考え方についてご紹介します。

定期タイプと終身タイプの違い

そもそも定期タイプと終身タイプの違いは何でしょうか?定期タイプとは、10年だったり、15年だったりと保障期間を設定することで、各月の保険料を抑えるタイプになります。

一方、終身タイプは一生涯の保障期間を得る代わりに、定期タイプと比較して保険料が高くなります。ただし、保険料は一生涯同じ金額です。

定期タイプは保険料が抑えられる一方、解約返還金がないいわゆる掛け捨てタイプのものとなり、終身タイプは保険料が高い一方、保険料の一部から解約返還金が貯まることが特徴となります。30歳で加入する終身保険と、60歳で加入する定期保険では、前者の保険料が安くなることが一般的です。

30代・40代女性の場合の考え方

そもそも保険の考え方は、自分の身体に万が一のことが起こった場合に、その費用が負担にならないよう加入するのが基本となります。30代・40代であれば、既婚だったり、独身だったり状況は異なることも多いと思いますが、まず女性疾病特約に入ることが重要です。

また、保険期間についてはこのタイミングでしたら、予算が許すならば終身保険がおすすめです。その理由は働いている世代である今、少し高めの保険料を払っておくことで、高齢となり収入が減ったタイミングで保険料を抑えることができるからです。

年代や性別に合った医療保険を選ぶことが大切

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医療保険を選ぶ方法は、基本的にはシンプルです。ですが、保障内容が同じであっても、保険会社によって保険料や付加できる特約などが変わってきます。

自分にあったベストな保険に入るためには、保険代理店やファイナンシャル・プランナーなど、保険のプロに気軽に相談してみましょう。その際に、自分で調べた保険に加入する目的、予算などを伝えることで、より理想の保険に加入できるようになります。

毎月の保険料は大きな出費になりますので、自分自身にとって無駄のないベストな保険に加入しましょう。

文・kouki(ファイナンシャル・プランナー・消費生活アドバイザー)

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