ヨガには宗教的なイメージがあるのでは無いでしょうか?
実はヨガは非常に科学的な一面を持ち合わせているのです。
この記事では知っているようで知らないヨガと宗教の関係性について説明していきます。
ヨガは宗教っぽい?
ヨガは宗教?科学?
ヨガは宗教なのかどうかという議論に関しては、実は専門家でも議論されつづけていて結論がでてきていません。
ただ、ヨガの経典といわれる「ヨーガスートラ」には下記のように書かれています。
“Yogas chitta vritti nirodha”
「ヨーガとは心の働きの止滅である」
止滅という難しい単語がでてきましたが、心をコントロールすることを指します。
どこにも、神やら仏やらについて書かれていません。
この定義をみるかぎり、宗教とは別ですよね。
宗教でないヨガが心をコントロールする目的
ヨガは、ユジュという「つながり」というサンスクリット語が語源です。
つまり、心と体をつなげることで思うがままに操るというのが由来なのです。
特にイライラしたり、悲しくなったり心って思うようにコントロールでできないですよね。
これって人間は本能的にネガティブな傾向があるため。
ライオンや蛇など猛獣が生息する原始時代を思い浮かべてください。
そんな環境では何事もポジティブに考える危険に鈍感な人より、ネガティブに考えてあらかじめ色んな危険の対策をする人間のほうが生き残る可能性が高いですよね。
ネガティブ思考によって生き残ることができた人たちが私達の祖先となるのネガティブな傾向で、どうしても人間はネガティブな傾向になりがちなのです。
ただ、現代を生きる中ではネガティブであることはデメリットにしかならないですよね。
そこでヨガでは、心をコントロールすることでネガティブにならないようにとします。
思うようにならない心を想いのままに出来たら悲しい気持ちを味わわなくて済むようになったら幸せな生活ができますよね。
ヨガのポーズと心の関係
では、よく聞くポーズってなんなのと思われる人もいることでしょう。
実はポーズも身体の歪みを解消するだけでなく、心をコントロールするのが目的なのです。
特に心と身体は分けて考えることができませんから、思うようにならない心よりも先に、意識すれば動かせる身体を整えることがヨガのポーズの目的となります。
ハーバード・ビジネス・スクールの心理学者、エイミー・カディ博士もパワーポーズをとることで、精神に影響を与えるという論文を出していますよね。
同じようにまずは身体を思い通りにコントロールすることで、心のコントロールも行いやすくするのがヨガのポーズなのです。
日本独自に発展してきたヨガと宗教の関わり
ヨガは本来、宗教ではないにも関わらず、どうして日本ではヨガは宗教としてのイメージが強いのでしょうか?
日本におけるヨガの始まりと宗教
実は日本とヨガの始まりから宗教がからんできます。
日本にヨガが入ってきたのは平安時代。
当時は瑜伽という仏教に取り込まれた形で輸入されてきました。
ここがヨガ=宗教という図式の始まり。
禅の一部として取り入られるなど、ヨガと宗教は密接な関係を築いていきます。
戦後の日本におけるヨガと宗教
戦後になって精神と身体の健康を獲得する方法が生まれてくるとヨガの人気が高まります。
しかし、1995年にヨーガ・サークルであったオウムという宗教団体が地下鉄サリン事件を起こします。 この事件がきっかけでヨガ=宗教=悪というイメージが普及します。
ヨガ人口も一気に減少してしまいます。
近年のヨガ事情
しかし、さすがは4000年の歴史を誇るヨガ。ブームは終わりません。
ハリウッドセレブを中心とした世界規模のブームが日本にも伝わり、再度ヨガ人口が増加し始めます。
同時に日本でも科学的に検証する動きが見られます。
その結果、「ヨガジャーナル日本版調査」によると、日本のヨガ人口は約770万人にまで増えてくるわけです。