湧き水がこんこんと湧く弁財天池に、岩穴から清涼な風が吹き出す風穴洞。栃木県佐野市には、豊かな自然や、史跡などの観光スポットがたくさんあります。この記事では、休暇や週末の弾丸旅行におすすめしたい、佐野市の見どころを8選にしてご紹介します。佐野のゆたかな自然で清涼感を満喫したら、温泉でリラックス・・そして、佐野らーめんで腹ごしらえ!なんて、いかがでしょう?
栃木県佐野市について
どこにあるの?
栃木県佐野市は栃木県の南西部にあり、関東平野の北部に位置します。「日本列島中心の町」を称する旧田沼町があることからも分かる通り、日本列島の「お臍(へそ)」のような場所にあります。
東京から70km圏内にある佐野市は、東西南北を結ぶ自動車道や鉄道が通っていて、北関東の中でも交通の便が良い街です。東京からは車で約1時間15分、電車で約2時間弱と比較的近い場所にあり、東京や新宿とを往復する高速バスも運行しています。
佐野市は、どんな街?
関東平野の北部にある佐野市には、足尾山系の山岳や渓谷があります。自然豊かな市内には田園が広がり、こんこんと湧き出る湧水や温泉、季節の果物や野菜を直売する農家などがたくさんあります。
そんな市内の街や山の中には神社や寺院、史跡が点在し、歴史や文化的財産が多くあります。「天明鋳物(てんみょういもの)」は佐野市を代表する伝統工芸で、1千余年続くその技術は、仏像から風呂釜まで、私達の生活に欠かせない様々なものを生み出してきました。
また、佐野市には古代に堆積した石灰岩地帯があり、1596年から1615年の慶長年間より石灰石工業が盛んに行われるようになりました。そして、大正時代にドロマイトが発見された旧葛生町は、「鉱都葛生」として栄えます。市内では現在でもセメントなどの工業原料や建築資材が多く採掘されていて、断崖絶壁のような採掘場や長いパイプが張りめぐるセメント工場は迫力があり、見どころ満点の名所です。
観光資源がたくさんある佐野市は、年間800万人を超える人が訪れる、人気の観光名所でもあります。
そんな佐野市には、魅力たっぷりの観光スポットがたくさんあります。それでは、その中からおすすめのスポットを8選にして、ご紹介します!
1. 出流原弁天池(いずるはらべんてんいけ)、とその周辺
佐野市街地から北西に向かって約6km。栃木県の天然記念物に指定されている出流原弁天池は、日本名水百選のひとつにも選ばれている湧水が流れる湧水池です。
厚い地下層で濾過されて湧き出る水は透明度が高く、蒼い池の中をスイスイと泳ぐ鯉や、池底に茂る青い藻が揺れる様子は、とても幻想的です。池の水温は年間を通して約16度を保っているといわれていて、真夏の陽気でも、池の周りは清々しい空気に満ちています。
出流原弁天池の周辺には湧水を利用した温泉や養殖池、釣り堀などもあります。これらの施設で、名水の魅力をもっと体験してみるのも良いですね。
涌釜神社(わっかまじんじゃ)
出流原弁天池の脇に佇む涌釜神社は、水分神(みくまりのかみ)という神様を祀っています。
鳥居をくぐると、湧水が流れる水流にかかる小さなアーチ型の石橋があります。その橋を渡ると階段が数段あり、静寂さに包まれて佇む本堂へと続いています。
本堂の脇にはベンチがあり、湧水池や周辺の景色を眺められる穴場の休憩スポットでもあります。
割烹旅館「公園荘」にある、赤見温泉
出流原弁天池の目の前にある公園荘には赤見温泉があります。日帰り入浴もできる赤見温泉は湧水を加温した湯の温泉で、岩風呂の露天と内風呂があります。
公園荘は和風の素敵な佇まいの旅館で、離れの客室やレストランも併設しています。窓からは庭園や湧水池が見え、佐野の郷土を感じたい方や、外国人観光客にもおすすめの場所です。
2. 磯山弁財天
佐野市街地から北西に向かって約6km。出流原弁天池や涌釜神社の隣にある磯山弁財天は、小高い岩山に境内が広がり、規模は小さいながらも見どころがたくさんある弁財天です。
麓にある、生い茂る木々の間からぬっと姿を見せる朱塗りの赤い楼門は、好奇心と緊張感を抱かせます。上を見上げると岩山の上に佇む本殿が見え、急斜面にせり出した本殿の姿に、思わず足がすくんでしまうかも。
130段ある石段は急な作りですが、段差は低く手すりがあるので安心して上り下りできます。石段の途中には白蛇様が祀られた「磯山の大蛇」や、鐘がぶら下がる鐘楼などがあり、見どころが点在しています。
これらを通り過ぎて石段を登りきった先には、磯山弁財天の本殿があります。崖などの急斜面に木材を組み上げて建てる懸造り(かけづくり)と呼ばれる建築様式で建てられた本殿は、岩の上に立つ足場や柱を見ていると危なげにも思えますが、同時に建築技術の高さに関心してしまいます。全体が朱塗りでとても綺麗な佇まいで、目下には田畑や家、その周りを囲む山々が一望できます。磯山弁財天の本殿は、大変美しい名勝でもあります。
風穴洞
楼門をくぐると「風穴洞」があります。「風穴洞」の石碑の横には岩山の小さな割れ目があり、その奥から爽やかな冷たい風が吹き出している場所です。
風穴洞とは、洞窟の中を循環する空気が吹き出している場所です。小さな岩の割れ目の奥に広がる真っ暗な洞窟や、重なり合う石灰岩の間につたう地下水などを想像すると、怖いような、見てみたいような気持ちになります。真夏でも寒いくらい冷たい風が吹き出る風穴洞は、境内の雰囲気と相まって、どこかスピリチュアルな感じもする場所です。