梅雨の風物詩である花といえば紫陽花。咲いているだけでどこか儚げな印象を持つ、素敵な花です。この梅雨は、きれいな紫陽花写真を撮影しに出かけてみましょう。

この記事では、紫陽花の写真を撮るコツを紹介します。今回は、スマホカメラで実践できるコツだけを集めました。基本情報として紫陽花の名所も紹介するので、「今年の梅雨こそは紫陽花写真をきれいに撮ってみたい!」と思っている方は、ぜひ参考にしてみてください。

[講師]ライター ワタナベサツキ

紫陽花写真の撮り方|基本情報

梅雨の風物詩「紫陽花」写真の撮り方とは?撮り方のコツを紹介します
(画像=『トランカ』より引用)

まずは、紫陽花の基本情報を紹介します。紫陽花の写真をきれいに撮るために、基本情報から押さえていきましょう。

紫陽花とは?

紫陽花(アジサイ)とは、6〜7月にかけて開花する梅雨の花。日本が原産国で、梅雨の風物詩ともいわれています。同じ株でもさまざまな色が咲いたり、咲きはじめと終わりで色が変わったりすることが特徴。この特徴から、別名「七変化」とも呼ばれます。色鮮やかでかわいらしい見た目から、写真映えする花のひとつです。花言葉は、以下のように色によって異なります。

  • 白色:寛容
  • 青色:忍耐強い愛
  • ピンク色:元気な女性

どの花言葉も良い意味を持つので、ちょうど同じ時期である母の日や父の日のプレゼントとしてもおすすめです。

紫陽花の名所

紫陽花は、近所の公園などに植えてあることも多い身近な花。ですが、せっかく写真を撮るなら、紫陽花の名所といわれる場所に行くのがおすすめです。名所といわれる場所は紫陽花の株数が多く、どこを撮っても写真映えするので、上手な写真が撮りやすくもあります。また、さまざまな咲き方をしているので、構図にこだわった写真も撮りやすいでしょう。

以下は関東近郊の紫陽花の名所を表にしたものです。どの場所も紫陽花の撮影におすすめなので、ベストシーズンに出向いてみましょう。

名所 株数 時期
長谷寺(神奈川県) 約2,500株 5月下旬~7月上旬
明月院(神奈川県) 約2,500株 6月上旬~6月下旬
小田原城あじさい花菖蒲まつり( 神奈川県) 約2,500株 5月下旬〜6月中旬
箱根ガラスの森美術館(神奈川県) 約4,500株 6月中旬~7月下旬
国営昭和記念公園(東京都) 約9,300株 6月中旬~7月上旬
東京サマーランド あじさい園(東京都) 約15,000株 6月中旬~7月上旬
高幡不動尊あじさいまつり ( 東京都) 約7,500株 6月上旬~7月上旬
幸手あじさいまつり(埼玉県) 約16,000株 6月上旬〜7月上旬
本土寺(千葉県) 約50,000株 5月下旬~6月下旬

紫陽花の撮影におすすめの時期

紫陽花は、品種によって開花時期が異なります。開花が早い品種で5月下旬、遅い品種で6月上旬から開花がはじまります。遅い品種の開花もはじまった、6月下旬頃からが紫陽花の見頃。関東の梅雨入りは平均的に6月7日なので、ちょうど梅雨と紫陽花の見頃が重なることが分かります。したがって、梅雨=紫陽花の撮影におすすめの季節なのです。

紫陽花は「七変化」とも呼ばれるように、開花から日が経つにつれて色が変わることが特徴。基本的には咲き初めは花の色が白っぽく、日が経つにつれて赤や青に移り変わります。同じ場所でも咲き始めと終わりで表情が変わるので、その表情の変化を楽しむのもおすすめ。開花がはじまる6月上旬と、見頃を終える7月中旬では、同じ場所でも違う印象の写真が撮れます。同じ場所に何度か足を運び、さまざまな表情の紫陽花を撮影するのも良いですね。

紫陽花写真の撮り方|撮り方のコツ

梅雨の風物詩「紫陽花」写真の撮り方とは?撮り方のコツを紹介します
(画像=『トランカ』より引用)

紫陽花の基本情報が分かったところで、紫陽花写真の撮り方のコツを紹介します。スマホカメラで実践できるコツだけを紹介するので、気軽に試してみてください。

天気

紫陽花の写真を撮るときに、1番おすすめな天気は「薄曇り」といわれています。曇りの日は、柔らかい質感で紫陽花を撮影することが可能。曇が太陽を遮っているため、写真全体のトーンが優しく、柔らかくなります。柔らかい印象の紫陽花を撮影したい方は、曇りの日に撮影してみましょう。

晴れの日は青空と共に撮れるというメリットもありますが、梅雨というイメージ通りの写真は撮れません。紫陽花のイメージに近い写真を撮りたいときに、晴れの日は不向きです。それでも晴れの日に撮影したい場合は、夕方から撮影したり朝方の薄暗い時間に撮影したりすると、雰囲気のある写真が撮れます。晴れの日に紫陽花を撮影するときは、撮影する時間を調節してみましょう。

雨の日は、実は紫陽花にとって絶好の撮影日和。水滴がついた紫陽花は写真映えします。雨の日はスマホが濡れないように気を付ける必要がありますが、雨の日こそ紫陽花の撮影にうってつけです。晴れの日や曇りの日でも、わざと霧吹きなどを使って雨を表現することもできるので、試してみましょう。

背景

背景を工夫すると、紫陽花の花を強調させた写真が撮れます。被写体をいかした写真になるかどうかは背景にかかっているので、紫陽花を撮影するときは背景も意識したいポイントです。

梅雨の風物詩「紫陽花」写真の撮り方とは?撮り方のコツを紹介します
(画像=『トランカ』より引用)
梅雨の風物詩「紫陽花」写真の撮り方とは?撮り方のコツを紹介します
(画像=『トランカ』より引用)

左の写真のように、背景が明るいと華やかな印象になります。右の写真のように、背景が暗いと紫陽花が持つ儚げな印象や梅雨のイメージに合う写真になります。撮影する場所によって雰囲気の異なる背景で撮れるので、スマホの手軽さをいかして、いろいろな背景で撮影してみましょう。

マクロ撮影

梅雨の風物詩「紫陽花」写真の撮り方とは?撮り方のコツを紹介します
(画像=『トランカ』より引用)

紫陽花の花びらのディテールや、花びらについている雨粒までしっかりと撮影したいときはマクロ撮影がおすすめです。マクロ撮影には、マクロレンズという小さな被写体を大きく写せるレンズを使います。スマホに標準装備されているレンズは近付きすぎるとピントが合わないようになっているので、外付けのマクロレンズを使いましょう。

紫陽花は小花がまとまって咲く花。小花のひとつをフィーチャーした写真を撮りたいときは、マクロレンズが必須です。また、マクロレンズを使用して水滴にピントを合わせて撮ると、紫陽花とキラキラした水滴がうまく撮れます。雨の日に紫陽花を撮影するときも、マクロ撮影はおすすめです。

ポートレートモードで撮影

ポートレートモードとは、被写体の後ろにある背景をぼやけさせた写真を撮る機能のこと。現在発売されている、多くのスマホに搭載されている機能です。紫陽花をポートレートモードで撮影すると、被写体である花をより立体的に目立たせた写真が撮れます。どうしても背景がごちゃごちゃしてしまうときでも、ポートレートモードを使うとおしゃれな写真になるのでおすすめです。

紫陽花をポートレートモードで撮影するときは、紫陽花の真ん中にピントを合わせましょう。あえて大きめに余白をつくるように撮影すると、より紫陽花を立体的に目立たせた写真が撮れます。

【番外編】ふんわり加工

梅雨の風物詩「紫陽花」写真の撮り方とは?撮り方のコツを紹介します
(画像=『トランカ』より引用)

紫陽花の写真を加工するときにおすすめなのが「ふんわり加工」。ふわっとした紫陽花の雰囲気を写真に写し出したいときには、ふんわり加工が欠かせません。ふんわり加工で仕上げると、「失敗した…」と思うような写真も雰囲気のある写真になります。

アプリを使うときは、「わたあめカメラ」がおすすめ。撮影した写真を簡単に、ふんわり加工に仕上げられます。iPhoneの編集機能を使うときは、ブラックポイント-50・暖かみ+20くらいで調節し、明るさを好みのところまで調節すると程よいふんわり加工になるので、ぜひ試してみてください。