ファミコン言葉はどうしておかしいのか

代表的なファミコン言葉を紹介しながら、表現としておかしい理由を説明し、正しい言葉づかいのアドバイスをしていきましょう。

~のほう

飲食店で「ご注文のほう、以上でよろしいでしょうか」というフレーズを聞いたことがある人は多いでしょう。「~のほう」という言葉づかいは、本来、対象をぼかして表現するときや、ほかの対象との比較・対比を示すときに用いられます。

注文の内容はぼかす必要も比較対象もありません。従って、この場合は「~のほう」という言葉を入れてはいけません。シンプルに「ご注文は以上でよろしいでしょうか」というのが正解です。

【使用例】
NG:ご注文のほう、以上でよろしいでしょうか
OK:ご注文は以上でよろしいでしょうか

~になります

「こちらがメニューになります」といったふうに使われることがある「~になります」という表現。「なる」という言葉はものごとの変化や帰結を意味するため、変化をともなわない対象について使用しません。従って、「こちらがメニューでございます」という言い方が正解です。

【使用例】
NG:こちらがメニューになります
OK:こちらがメニューでございます

~でよろしかったでしょうか

「商品はこちらでよろしかったでしょうか」といったフレーズもNGです。商品を出して確認しているのは現在の出来事なので、過去形にせず「商品はこちらでよろしいでしょうか」と言いましょう。

過去の出来事でないのに、過去形で確認をする言葉づかいは不適切です。「問題なかったでしょうか」「差し支えなかったでしょうか」という言い方も、現在のことを問う場合は「問題ないでしょうか」「差し支えないでしょうか」とするのが適切です。

【使用例】
NG:商品はこちらでよろしかったでしょうか
OK:商品はこちらでよろしいでしょうか

~からお預かりします

会計の際に店員が「1万円からお預かりします」というのを耳にしたことがあるでしょう。しかし「~から」という言い回しは「~から~まで」というように、空間や時間、手順などの起点を表す場合に用いられます。そのため「1万円、お預かりします」と言うのが正解です。

また、1万円の商品を販売するのに1万円札を受け取って「1万円ちょうどお預かりします」と言う店員もいますが、預かってもおつりなどを返す必要がありません。この場合は「1万円ちょうど、いただきます」と言えばOKです。

【使用例】
NG:1万円からお預かりします
OK:1万円、お預かりします