「なるべくその場所に存在するリアリティ」
――劇場版では、辻村の見せ場がいろいろとありました。バイクに乗る場面がありますが、鈴木さんの魅力が引き立つ映える画になっていました。やはりテンションが上がっていたりしていたのでしょうか?
鈴木:大型まで免許は持っていますが、プライベートでは一度も乗ったことがありません。撮影では実際に少し走ったんです。後ろに甘春という名の本田翼を乗せていたので、怪我をさせてしまったらと思って、心配でした。
――場面ごとにインサートされる辻村のクロースアップが、ほんとうに素晴らしかったです。ここぞという瞬間にカメラのフレームに収まる鈴木さんは、何か意識されているのでしょうか?
鈴木:ほんとうですか、それは嬉しいです。あんまり意識はしていないです。シーンごとの気持ちは意識しています。なるべくその場所に存在するリアリティを心掛けています。
――あるいは、窪田正孝さん演じる五十嵐と甘春との三角関係についても、ドラマ版から引き続き気になりました。
鈴木:窪田さんは僕が尊敬する俳優さんのひとりです。「HiGH & LOW」シリーズや『東京喰種 トーキョーグール』(2017年)でご一緒し、そこからさらにすごい活躍をされているなと。五十嵐唯織という難しいキャラクターを完璧に演じ、なおかつ、現場でも笑顔を絶やさず、コミュニケーションを取り続けていたので、本当にすごいです。
主人公のライバル役を演じ続けて
――今回、そんな憧れの窪田さんとライバル役を再演してどうでしたか?
鈴木:ライバルなんておこがましいです(笑)。共演するたびに、「自分はダメだな」「もっと頑張らないとな」と思わされます。説得力が違います。
――『オオカミ少女と黒王子』で山﨑賢人さん演じる主人公に挑戦する役柄が印象的でした。恋敵役を演じることが多いですが、主人公のライバルを演じるのはどんな気持ちですか?
鈴木:単純に僕の背が高いからでしょうか(笑)。敵役やライバル役が、とにかく多いです。あるいは、悪いラスボスなのか。引き続き、誰かのライバルをやらせていただきたいと思います(笑)。
――どのように見せ場を作るものなのでしょうか?
鈴木:常に主役とは正反対のところにいる人物なので、台本を読んで主人公の人柄をある程度把握したら、その真逆を演じるんです。すると、ちょうどよかったりするので、逆を行くことは意識しているかもしれません。