将来の医療費や介護費用をまかなうために
親とよく話し合おう
この問題は、なにもUさんだけで抱え込むことはありません。まずはお母さんとじっくり話してみましょう。病気やお金の話はなかなか投げかけにくいと思いますが、お母さんからすると自分のことで一人娘が悩んでいるということの方がショックかもしれません。
Uさんの場合、親の資産が具体的にいくらくらいあるのかご存じないとのことでしたので、今後予想される支出にどこまで耐えられそうなのかを把握して認識を共有しておくと、より安心できるのではないでしょうか。
また、今のところ離れて暮らしていますが、2人の意向次第では同居も検討するとよいかもしれません。別々に暮らすよりも2人分の生活費としては圧縮できます。交通費もかからず、急な体調変化にも気付きやすくなります。
お母さんの資産状況次第では、今後の支出に備えて保険をかけておくというのもひとつの方法です。医療保険、介護保険、死亡保険、どれも病気になると入れないと思われがちですが、今は条件が緩和されて高齢でも持病があっても入れるものもありますので検討する余地はあるでしょう。
資産状況も同居も保険も、一方的に進めてしまうと母娘の信頼関係が傷付く可能性もありますので、焦らずよく話し合いたいところです。
自分の将来についても考えておこう
お母さんのことを見守るのも大切ですが、ご自身の老後のための備えについても考えておきたいところです。Uさんは独身で、もし自分が将来体調を崩したり介護が必要になったりした場合、子どもに支えてもらうということができません。
今はまだそれどころではないかもしれませんが、まだ時間のあるうちに一度は自分の将来にも思いを巡らせて、貯金するのか運用するのか保険に入るのか、収入を増やすのか長く働き続けるのか、どうやってお金を用意しておくのか考えておくとよいでしょう。
お金の工面は母娘が納得できる形で
お金を貯めておくこと、よく話し合うこと、いざというときに頼れる制度について知っておくこと、できることはまだたくさんあります。Uさんもお母さんも幸せに過ごせるように、一緒にがんばりましょう。
文・馬場愛梨(ばばえりFP事務所 代表)
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