更年期に痩せるために押さえる3つのポイント
更年期に痩せるためには、太る原因を理解した上対策を練ることが大切です。若い頃のように単純に数日食事を減らしたり抜いたりすれば痩せるというわけではありません。次の3つのポイントを押さえておく必要があります。
更年期に痩せるためのポイント➀筋肉量の低下を阻止する
更年期の女性は、普段通りの生活を続け何も対策をしなければ、筋肉は衰えていく一方です。人間の機能は使わなければ不要だと判断され、退化していくものです。筋肉ももちろん使わなければ衰えていきます。
更年期になるとお腹や腰回りの脂肪が目立ってきた上、脂肪が頑固でなかなか落ちません。わたしたちの体は内蔵を守るために筋肉でしっかり保護されますが、筋肉が落ちてくると脂肪を蓄えて内蔵を守ろうとします。逆にしっかり筋肉で覆われていれば、脂肪は不要になるためつきにくくなるのです。気になる部位の筋肉をしっかり動かして刺激をくわえ、筋肉が必要だという信号をおくり続けることで筋肉量の低下を阻止することができます。
そして筋肉作りに最も大切なのは、実はトレーニングより栄養なのです。激しい筋トレで筋肉隆々なボディービルダーたちでも、筋肉肥大は栄養8割筋トレ2割と心得ています。わたしたちは食事を減らすことを辞め、食事と真剣に向き合うことがもっとも大切なことなのです。
更年期に痩せるためのポイント②ストレスが1番の敵と心得る
更年期の女性は、食事や運動に気をつけているのに全く痩せないことはほとんどですが、実はその元凶がストレスにあります。体はストレスを受けると、コルチゾール(副腎皮質ホルモン)別名ストレスホルモンを分泌します。コルチゾールが体に及ぼす影響は次の5つです。
- 筋肉の合成をする成長ホルモン分泌を抑制
- 食欲抑えるセロトニン分泌を抑制
- 食欲を抑えるレプチン分泌を抑制
- 血糖値の上昇
- 脂肪の合成
このように、コルチゾールの値が高くなると、筋肉はつきにくくなるとともに食欲が亢進し、簡単に太るのになかなか痩せない体になります。また、血糖値があがることでインスリンが上昇し、体内に余っている糖質を脂肪として蓄えるのです。
コルチゾールによって作られた脂肪はお腹周りにつきます。狩猟時代のストレスは、食糧が得られない危機でした。そのために食糧にありつけなくても生き延びれるように、お腹に脂肪をためこみ内蔵を守ったり、エネルギーの備蓄をしたりして生存するよう遺伝子に組み込まれているのです。
現代の更年期女性は、ストレスを避けて通れません。コルチゾールを高めない工夫としては、
- 避けられるストレスは極力避ける
- 抗ストレス作用のある栄養素を摂る
- ストレスを溜めにくいこころのあり方を身につける
- ストレス解消になることを習慣にする
- 質の良い睡眠を充分にとる
といった対策が何よりも大切なのです。
更年期に痩せるためのポイント③食事は制限ではなく質が鍵
痩せると決めてまずやるのは、カロリー制限や食事量を減らすことでしょう。これは更年期女性にとって、もっともやってはいけないことで、ますます痩せない体になってしまいます。
今や糖質制限ダイエットはスタンダードになり、多くの人が結果を出しています。その一方、代謝が悪くなりリバウンドしやすくなる、インスリンの働きが弱まり、糖質を摂ったときにインスリンがうまく働かず、血糖が下がらないなどの危険性をはらんでいます。体の働きが低下する更年期においては、慎重になる必要があります。
カロリー制限をすると、少ないカロリーでも生活を維持できるように、体はますます低燃費になってしまいます。通常の食事制限や生活おいて不足したカロリーは、脂肪を分解する前に、筋肉を分解してエネルギーに変えてしまいます。筋肉量が低下するとともに代謝が下がるのです。また、少ないカロリー内では、食事でまかなう必要栄養素、特にビタミン・ミネラルが大幅に不足し、エネルギー代謝や脂肪分解がうまくいかなくなってします。
ファスティングダイエットなどの著しくカロリーを制限するものでは、食欲増進ホルモンのグレリンが過剰分泌し、なんと1年は下がらないという研究報告があります。更年期女性が痩せるためには、食事量やカロリーを制限するのでなく、適切なカロリーの中で、何を摂り何を摂らないかの選択に重きを置くほうがずっと効果的なのです。