自治体独自の就職支援制度にはどんなものがある?
自治体独自が実施している就職支援制度にはどんなものがあるかを見ていきましょう。自治体によってさまざまな制度がありますが、ここでは魅力的な就職支援制度をご紹介します。
就職奨励金・就職祝い金の支給
就職奨励金や就職祝い金は、地方移住をしさらにその地域の企業に就職した場合受け取ることができます。自治体によって受け取ることができる金額や対象条件は異なります。就職奨励金や就職祝い金を実施している自治体をご紹介します。
IJUターン定着激励金(山形県遊佐町)
就職奨励金として1人あたり10万円が支給されます。家族で移住する場合の支給額は、1世帯上限30万円です。遊佐町に転入し、酒田市・三川町・庄内町・遊佐町の区域に就職した人が対象で、転入前に県外に住所が1年以上あった人という条件もあります。
UIJターン若者就職奨励金(福岡県大牟田市)
就職奨励金として1人あたり年間12万円が最大3年間支給されます。対象者は市外から転入した45歳未満の人で、大牟田市内の事業所に正規雇用で就職した場合などの条件があります。
若者等ふるさと就労促進奨励金(熊本県薩摩川内市)
就職奨励金を1人あたり10万円〜30万円支給されます。薩摩川内市に転入した40〜50歳未満の人で、転入前後1年以内に市内事業者と正規雇用契約を結んでいることなどが条件です。転入先が本土の場合は10万円を1回限り、甑島(こしきしま)の場合は年間10万円を3年間支給されます。
UIJターン若者就職奨励金(群馬県前橋市)
就職奨励金として1人あたり5万円が支給されます。配偶者と転入した場合それぞれに2万5000円が加算されます。UIJターンによって前橋市に転入し、令和元年7月2日以降に市内中小企業に就職した人が対象です。
定住促進船員就職祝金(熊本県上天草市)
就職祝い金として1人あたり10万円が支給されます。新規学卒者・転入者で、地元の海運事業者に就職した人が対象です。
就職・転職活動にかかる交通費や移住準備金などの助成
就活にかかる交通費や移住準備金を助成してくれる自治体もあります。都心で仕事をしながら地方移住先の就活をするのは、時間的にも金銭的にも難しいと感じる人はいるでしょう。自治体から交通費や宿泊費、移住にかかる引っ越し費用が助成されるのは嬉しいですよね。
ほんのり温ったか八戸移住計画支援事業(青森県八戸市)
UIJターン就職希望者に対して就職活動にかかる交通費、移住のための引越費用、住宅費(家賃)、学用品等の購入費が助成してもらえます。採用面接や住宅を決めるまでにかかる交通費は1回あたり1万5千円以内。引っ越し費用と引っ越しにかかる交通費を10万円まで。八戸市内のアパートを借りる場合、家賃を1ヶ月あたり3万円(ひとり親世帯は4万円)が上限で最大6ヶ月支給されます。小中高校生がいる家庭では学費の購入費用1人あたり一律4万円の支給もあります。
週末就活(福井県福井市)
「週末就活」は金曜日と土曜日の1泊2日で行われるので、社会人でも参加しやすい就活プログラムです。就活者とその家族も同時に参加することができるので、移住先の雰囲気や環境を家族と一緒に確認できる点も魅力ですね。週末就活のプログラム参加費用は無料で、交通費や宿泊費は一部助成されます。1回の参加で3社の企業を訪問でき、地域の環境(周辺の保育園、小・中学校、ショッピングセンターなど)も紹介してもらえます。
ふるさと就職活動支援補助金(新潟県糸川市)
糸川市外に住んでいる40歳未満の人が、糸川市内の企業に就職活動を行う場合、交通費や宿泊費が助成される制度です。1年に2回利用でき、交通費や宿泊費など就職活動にかかる経費の2分の1の額を1回上限1万円の範囲で助成されます。
採用面接の交通費補助(秋田県秋田市)
秋田市内の採用面接を受けるのにかかる交通費を助成してもらえる制度です。助成金額は、九州地方、沖縄地方、中国地方および四国地方が上限3万円、近畿地方および中部地方が上限2万5000円、関東地方および北海道地方が上限2万円、秋田県を除く東北地方が上限1万円となっています。秋田市移住・就職希望者登録カードで申し込みを行い、秋田市移住定住無料職業紹介所かハローワークから紹介を受けた人が対象です。
就職資金の貸付利子の補助
地方では、車移動が当たり前な地域が多いため、地方移住をしたら1家に1台車が必要になるかもしれません。車などを購入する資金がすぐに用意できない場合は、自治体から低利子で借り入れることができる地域もありますよ。
ふるさと就職資金貸付制度(新潟県糸魚川市)
糸魚川市外から糸魚川市内に就職する人に、通勤用自動車の購入など就職の際に必要となる資金を年利1.5%の低利子で借りることができます。貸付限度額100万円~300万円で、利息分は補助してもらえます。
保育士、看護師、介護士の就職支援
地方移住者で保育士、看護師、介護士に就職する場合、就職奨励金制度や家賃補助制度等を利用できる自治体もあります。
保育士等就労促進給付金事業(山口県光市)
新たに光市内の私立園(保育所・幼稚園・認定こども園)に保育士・幼稚園教諭として就職した人が対象で、就職奨励金10万円と引っ越し費用10万円の合計20万円が支給されます。条件として、保育所等の常勤の正規職員として就職すること、3年以上の継続勤務が見込めることなどがあります。
保育士家賃補助事業(熊本県荒尾市)
荒尾市内に転入し、市内の保育所や認定こども園等で採用された保育士を対象に、家賃の2分の1が補助される制度です。上限は1ヶ月あたり2万5千円となります。2018年度から2020年度までに補助金対象となっている人が対象で、3年間家賃の補助を受けることができます。
就職支度支援金(宮崎県えびの市)
保育士・看護師・介護福祉士の就職促進と定住促進を図るために、市内の保育所や認定こども園への就職が決まった人に就職準備金として1人あたり20万円が支給されます。
保育士就職応援事業(大分県日田市)
保育士資格または幼稚園教諭免許を持っている人で、日田市内の認定こども園や認可保育園に就職した場合、就職応援金として5万円が支給されます。ただし、継続して勤務する常勤職員であることが条件です。