激安の掛け捨て保険でも、80歳までで266万円

 冒頭で書いた、「1000万円の死亡保険が月846円(10年契約)」という某ネット生保の例に戻ります。  この保険は、40歳になると保険料が変わります。正確にいくらになるのかは10年後になってみないと分かりません。もう少し普段の言葉を使って説明すると、この保険は10年ごとに保険料が値上がりしていくのです。

1000万円の保険が月々850円!? 目先の保険料の安さだけで保険を選ばないで
(画像=『女子SPA!』より引用)

ちなみに、いま現在40歳の場合なら毎月1463円、50歳なら2686円、60歳なら4768円、70歳なら1万2438円です。これらも、それぞれ10年間の毎月の保険料です。  つまり、40歳からの10年は17万5560円、50歳からは32万2320円、60歳からは57万2160円、70歳からは149万2560円払うわけです。70歳の人が80歳になって生きていれば、掛け捨てですからお金は戻ってきません。  ちなみに、この保険料が将来もほぼ同じだとすると、30歳で毎月846円で入ったとしても、80歳までに合計266万4120円払うわけです。

 今から50年後の女性は、90歳や95歳まで生きるのが当たり前になっているのではないでしょうか? ですから、入る時にどのくらいの期間の補償がほしいのかきちんと見定めてほしいのです。

 30歳の女性が40歳までに亡くなる可能性はほとんどありません。  846円と聞くと安い!と思うかもしれませんが、40歳までに払う保険料が10万と少しと聞くと、もっとじっくり考えることになるかもしれませんし、子どもや夫に残そうと思って入ったとしても、80歳までに亡くならないと266万円のお金は掛け捨て。これも考えてしまいますよね。

長く補償が欲しいなら、高めでも保険料一定が得

 それから、もし今から10年だけの補償でいいということでなく、初めから長いこと保険に入ると決めているのなら、将来にわたって保険料が変わらない場合もあります。

1000万円の保険が月々850円!? 目先の保険料の安さだけで保険を選ばないで
(画像=『女子SPA!』より引用)

上記の死亡保険の例で、例えば年金が出る65歳まで補償してくれればいいというのなら、30歳から毎月1650円払うことになり、合計金額は約69万円。  30歳の時に80歳までと契約するのなら、毎月2706円です。合計金額は162万3600円です。ここで気がつかれたかと思うのですが、10年ごとに値上がりしていくものの合計金額よりも、80歳までの保険料はずっと安くなります。

 この保険はもちろん途中でやめることもできます。しかし、30歳から10年間だけ入ってやっぱりやめたとなると、毎月846円でなく2706円払ってますから、32万4720円。20年間だけ入ってやめる場合も約70万円と、3倍弱払うことになってしまいます。

 ちなみに、この保険は最初から90歳までの契約にすることもできます。90歳までということであれば、30歳から毎月4471円払うことになり、合計金額は約322万円となります。

 それ以上の年齢はこの某保険では入れません。90歳で契約満了となる掛け捨て保険だからです。