語り継がれる弘法大師の功績と伝承
立ち並ぶ弘法大師ゆかりのさまざまなお堂
西塔(さいとう)は弘法大師の設計を元に、2代目にあたる甥の真然(しんぜん)が完成させたといわれています。壇上伽藍のシンボルとなっている根本大塔の対をなす多宝塔(二重塔)として計画していたとか…その隣には鐘楼が建っています。
後鳥羽上皇が祈願した雨乞いに成功した功績を讃えて建てられた孔雀堂。隣の准胝堂(じゅんていどう)には弘法大師が出家した時に自ら作ったとされる、准胝観音が祀られていたと伝えられています。
御影堂(みえいどう)には弘法大師の姿が描かれた御影像が安置されているとか…旧暦3月21日の旧正御影供(きゅうしょうみえく)が行われる前夜の御逮夜法会(おたやほうえ)の時だけ一般参拝ができます。
高野山開創物語の松
朱色の囲いに覆われた松。弘法大師が唐から帰国する際、修行場を探すために投げた三鈷杵(さんこしょう)がこの松に引っかかっていたと伝わっています。葉を3枚つける三葉の松であったため、三鈷杵にちなんで、三鈷の松と名付けられたとか。
3つに別れた松の葉は縁起物とされ、参詣者たちがこぞって探しています。四つ葉のクローバーならぬ、三つ葉の松の葉探し。見つかれば幸運が訪れるかもしれません。
壇上伽藍のシンボル・根本大塔
壇上伽藍といえば必ず出てくる朱色の建物、それが根本大塔です。日本で初めて造営された多宝塔(二重塔)とされ、上層は円形、下層は方形をしています。弘法大師が手がけてから完成まで50年以上費やしたと伝えられています。こちらも堂内に入ることはできますが、拝観料(200円)か高野山参詣講待遇之証が必要です。撮影も禁止...悪しからず。
高野山に毎日5回、時刻を知らせる大塔の鐘。朝4時、13時、17時(夏季は18時)、21時、23時に鐘がなります。この鐘の建設も弘法大師が計画し、2代目真然の時代に完成しました。現在の鐘は1547年に作られ、当時、日本で4番目に大きい鐘であったことから、高野四郎とも呼ばれているそうです。