犬と暮らそうと決めた時に、最初に考えることは「どんな方法で犬を迎えるか?」ではないでしょうか。
まず、頭に浮ぶのはペットショップで購入する方法です。その他の方法もあります。 迎える方法によって必要な費用が異なり、それぞれにメリット・デメリットがあります。 今回は、犬を迎える方法について、4つに分類して解説します。
犬を家に迎える4つの方法
犬を迎える4つの方法について具体的に解説します。
ペットショップから
最も一般的な方法は、ペットショップで購入する方法です。
ペットショップの規模は大小さまざま。
犬・猫・鳥・うさぎなど、いろんな種類のペットを扱っているショップ、犬猫中心や犬に特化しているショップなど多種多様。そして、ペットショップにはさまざまな犬がいます。
その中から、自分が迎えたいと思うお気に入りの子と出会える可能性が高いのもペットショップの大きな魅力。
犬種や個体、そして、ショップによって、販売価格は異なります。 人気の高い犬種を数多く揃えているショップ、犬が病気をした時の病気補償・生命補償を設けているショップなどもあります。 店内には、食器とドッグフード、トイレとペットシーツ、ケージやキャリーバッグなど、犬と暮らすために必要なアイテムが揃っています。 初めて犬を迎える人にとって、スターティングアイテムを購入できるのは便利です。
「何を揃えればいいのか?」「食事の量と回数は?」「トイレは?」「どうやってお世話をしていけばいいのか?」などと迷っている人にとって、店員さんのアドバイスは心強いと思います。
一方、ペットショップで販売されている犬たちは、ブリーダー(生まれた場所)からペットショップへの移動など、幼いうちにいろんな環境変化を経験するため、強い不安やストレスを抱えている可能性があります。
かわいい子犬ほど売れやすいという理由から、生後56日以上になると母犬から引き離され、オークション等を経て、ペットショップで展示販売されるという環境変化への適応の難しさがその一因です。
また、兄弟犬と遊べないことやケージ内での単調な生活も不安やストレスの大きな要因となります。
そして、子犬の時の不安やストレスは、自傷や食糞、過剰な吠えなどの問題行動に繋がります。
ペットショップから迎えたばかりの犬には、愛情をもって優しく接し、根気よく、できるだけ不安やストレスの少ない生活環境を整えることがとても大切です。
ブリーダーから
ブリーダーから犬を迎える方法もあります。
ブリーダーの多くは、特定の犬種を守るため、こだわりを持って繁殖しています。 迎えたい犬種や好みの犬種が決まっている場合には、その犬種を繁殖しているブリーダーを探しましょう。 オークションやペットショップなどを経ずに購入できるので、ペットショップと比べて費用負担が少なくなります。 また、ブリーダーから犬を迎える場合には、生まれ育った犬舎などを見学することもできます。 過ごしていた環境や親犬・兄弟犬たちを直接確認できることは大きなメリットです。
そして、犬種特有の飼育法などについては、その犬種の専門家であるブリーダーに直接質問できる安心感もあります。
ただし、利益を優先するあまり、とても劣悪な環境で繁殖・飼育をしているブリーダーもいます。 犬舎見学の時に飼育環境や犬達の様子を確認し、近隣の評判などもリサーチして、信頼できるブリーダーかを見極めて購入を決めましょう。
子犬は、母犬や同腹犬たちと離れることに強いストレスを受ける傾向が強いので、今まで使っていたタオルなど、母犬や同腹犬達の匂いがついたものを一緒に譲ってもらえると新しい環境で安心して過ごしやすくなるのでお勧めします。
公的な動物愛護(管理)センター・民間の動物愛護団体から
保護犬の譲渡制度とは、
・飼い主さんが飼えなくなった(飼育放棄)
・放浪や迷子など、飼育者が不明(保健所への持ち込みと保護)
・ペットショップからの持ち込み(飼育放棄)
・ブリーダーからの持ち込み(飼育放棄)
など、さまざま理由で動物愛護(管理)センターや動物愛護団体で保護され、犬の適性を判断して新しい飼い主へと繋ぐ制度のことです。
近年、日本でもこの保護犬を迎える人が増えてきました。
動物愛護(管理)センターや動物愛護団体では、定期的に保護犬の譲渡会が開催されています。 最近では、気軽に触れ合える保護犬カフェも各地にできてきました。
そして、動物愛護(管理)センターや動物愛護団体、保護犬カフェの多くは譲渡条件を定めています。
ペットショップやブリーダーから迎えるのとは違い、選べる犬種の幅は狭くなります。 そして、保護犬の譲渡制度で迎える犬は、純血種より雑種、子犬より成犬が多い傾向にあります。
団体によっては、譲渡前に飼育やしつけなどの講習会受講を義務付けたり、保護犬との相性を見るためのマッチングテストやトライアル期間を設けたりしています。 トライアル期間がうまくいかず失敗し、結局マッチングしなかったというケースもありますが、これも新しい環境での保護犬の幸せな生活を実現するために必要なことです。 その他にも、外飼い禁止・一人暮らし不可など、いくつかの条件があることも。
犬の性格ばかりではなく、保護された経緯や過去の経験は、新しい環境や飼い主さん家族に慣れる期間を大きく左右します。 犬によっては慣れるまでに数か月や数年かかることもあり、犬のペースに合わせて、気長に接してあげることが大切です。
ネグレクトや虐待などを受け、心に傷を抱えた犬の場合には、厳しいしつけなど抑圧や恐怖心を与えると、自分を守るために攻撃的な行動に出る可能性もあります。 保護犬と暮らすには、そのような難しさや苦労があることを頭に入れ、家族全員が保護犬について十分に理解することがとても重要です。 特に、初めて犬と暮らす場合には、丁寧に指導してくれたり、親切に相談に乗ってくれる団体の譲渡制度を利用したりすることをおすすめします。
友人や知人から
友人や知人から犬を譲り受ける場合もあります。
使っていた生活用品などを一緒に譲り受けられる可能性もあり、初期費用はあまりかかりません。
ただし、譲り受ける時には、面倒でも、食事の量や回数、散歩の回数、トイレや寝床などの生活環境や習慣に加え、不妊手術の有無、ワクチン接種など予防歴、そして、病歴などを細かく確認する必要があります。
犬との暮らしを諦める背景には、自身の病気や転勤に伴う引っ越し、家族の看病や介護などの理由から泣く泣く離れなければいけなくなったケースや予期せぬ子犬が生まれたケースなどがあります。 生れた子犬を譲り受ける場合には、離乳直後ではなく、子犬の情緒の安定や社会性を育むためにも7~8週齢頃までは母犬や同腹犬と一緒に過ごしてからが望ましいです。
離乳すると母犬が子犬の世話を嫌がるケースのがあり、早い時期に譲ろうとされる場合でも、なるべく7週齢以上までは母犬や同腹犬と過ごせるようにお願いして下さい。
また、安易に犬との暮らしを始め、面倒が見切れなくなったなどの理由で、犬を手放そうとしている人も中にはいますが、多くのケースでは愛情豊かに育てられています。 そのため、友人や知人から譲り受けた場合には、困ったときには気軽に相談に乗ってもらうことができ、安心して犬と暮らすことができるでしょう。