宗教のことはいつ伝えるのがベスト?
「宗教は会う前に伝えるべき」という考えの人もいますが、今は難しいでしょう。結婚相談所の大手IBJは2021年に、コンプライアンスの観点からプロフィールの「宗教」の欄を廃止しました。前から宗教欄がない結婚相談所は多く、マッチングアプリにはほとんど宗教欄はありません。
宗教2世3世をどのタイミングで伝えるのがベストか、高橋さんに聞いてみました。
「プロフィールに記載しない場合、後々のもめ事を避けるためにも、交際前に伝えた方がいいでしょう。婚活の場合、初めは好きかどうかも分からない状態で会っています。気持ちが高まっていない状態で打ち明けられたらうまくいかないことが多いと思います。お互いに気持ちが高まってきて、真剣に付き合いたいなという気持ちが出てきたタイミングで伝えてはいかがでしょうか。
また自分も信仰しているのかどうか、信仰の度合い、親だけが信者なのか、自分の立ち位置をはっきりさせておくことが大切です。濁さずしっかり伝えましょう。脱会していたとしても、親の風習については驚かないよう事前に伝えておいた方がいいでしょう。
宗教2世3世の方が婚活するのなら、相手が自分を好きになるようにするため、自分を磨く努力はして欲しいです。自分を理解してもらいたいなら、先に自分を成長させることが第一優先です」
もしかしたら婚活パーティーのように、プロフィール確認の前に「会う」ことから始まり、それから相手の条件を知る出会い方のほうが、宗教2世3世の人には向いているかもしれません。
自分でも「宗教名 結婚」で検索をしておくべき理由
親だけが信仰していて自分は信者ではないとしても、「脱会していること」や「宗教と関係ないこと」を証明するのは難しいそうです。 多くの宗教では「脱会した」といえば脱会扱いになり、それについて正式な証明書もなければ、宗教についての公的書類があるわけでもないからです。
高橋さんいわく、実家が信仰している宗教に対する世間のイメージは、事前にネット検索して把握しておいた方がいいそうです。繰り返しになりますが、カミングアウトすれば相手はだいたい検索します。
「『宗教名+結婚』で検索すれば、宗教を理由に破談になった話がたくさん出てきます。びっくりするようなことが書かれていて、デマや極端すぎるレアケースも多いですが、一般の人はどれが真実なのか見分けがつきません。
例えば私の実家の宗教では、お酒禁止というルールがありました。ですが私が活動参加していた時期でも、7割の方は飲んでいました。残り3割も信仰を守って飲まないというより、お酒で失敗したことがあるからとか、体質の理由です。 宗教も時代に合わせて変わっているようですが、形骸化(けいがいか)したルールも、ネットにはそのまま出ます。かつては献血を禁止していた宗教が今は献血自由になっている、というケースもあります。 事実ではないけれどネットに出ている、といった話も、相手から何か聞かれたら答えられるよう準備しておくことで、安心につながります」