新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛で、人同士の交流が少なくなっている今日。 その寂しさの穴埋めをペットとの暮らしに求める人が急増しています。 特に人の気持ちに寄り添い、喜びや悲しみを共有してくれる犬は、人気の高いペットです。 犬と暮らすということは小さな命を預かること。「寂しさを紛らわしたい」「癒しが欲しい」などの理由で気軽に迎えてしまうと、「思っていたのと違った」「こんなに大変だとは思わなかった」と後悔してしまうことも。 フードやペットシーツなど消耗品代や動物医療費などの経済面での負担もかかります。

そこで今回は、犬を迎える上での経済的な負担と必要な知識と配慮すべき心構えについてご紹介します。

犬と暮らす人に求められる知識と心構えとは

犬と暮らし始めると、経済的な負担に加え、散歩やトイレなど、さまざまなお世話が必要になります。また、トイレトレーニングなど、思うようにしつけができなくて、犬の問題行動に苦労することもあります。犬との暮らしを楽しいものにするためには、犬の特性や行動を理解するなど、さまざまな知識の習得や心構えが求められます。
ここからは、特に求められる知識と心構えを3つご紹介します。

ライフスタイルに適しているかの検討

犬との暮らしが、自身のライフスタイルに適しているかを検討する必要があります。

犬は人や仲間との協働作業が大好きです。 その特性を満たしてあげるためにも、食事やトイレ掃除といった日常のお世話に加え、散歩や一緒に遊ぶなど、飼い主さんと共有できる時間がとても大切です。 犬種によって体の大きさや必要運動量が異なり、お世話や散歩、遊びの時間も変わります。 また、犬と一緒に宿泊できる施設は少なく、旅行や出張で留守にする際には預け先が必要となり、費用もかかります。

犬を迎えるには、自身のライフスタイルに適した犬種選びと新たに増える犬との時間を楽しみ、共に暮らすことに喜びを感じられるような心の余裕が必要です。

体力も大切

犬は散歩が大好きです。 毎日散歩をし、外の空気やさまざまな環境、犬や人と触れ合うことは、犬の健康維持やストレス発散のためにも欠かせません。 犬種によっては活動性も高く、一緒に遊んだり、散歩したりする人にも相応の体力が求められます。特に大型犬は散歩の距離も時間も長くなるため、その分飼い主さんの負担は大きくなります。犬との暮らしには、自身の健康管理と体力づくりは欠かせません。

また、犬の平均寿命は約14歳で、20歳を超える長寿犬もいます。最後までお世話をしてあげるためにも自身の年齢を考慮しつつ、健康を維持することがとても大切です。

しつけ(犬の教育)とマナーの大切さ

犬との暮らしを楽しむためには、しつけ(以下:教育)と周囲への配慮はとても大切です。 そして、犬を教育するには、犬の特性や正常行動、異常行動を知ることが重要です。

また、子犬期の教育はとても大切です。そのためにもパピークラス(子犬教室)への参加をおすすめします。 犬と暮らし始める前から近くで開催しているパピークラスやドッグトレーナー、行動指導をしている動物病院を探しておきましょう。 昨今は、「褒めて育てる方法」が主流になっていますが、中には犬の嫌がることを無理強いしたり、犬のペースを無視した教育方針の人もいたりします。犬も人と同様、心の健康を大事に育ててあげるとお互いに良い関係が築きやすくなります。 そういったところを見つけるため、直接、担当者とお話をしたり、お試しでの参加、見学に行ったりすることで雰囲気を掴むとよいでしょう。

マナーについては、環境省が「守ってほしい5か条」を提示しています。
1.動物の習性等を正しく理解し、最後まで責任をもって飼いましょう
2.人に危害を加えたり、近隣に迷惑をかけたりすることのないようにしましょう
3.むやみに繁殖させないようにしましょう
4.動物による感染症の知識を持ちましょう
5.盗難や迷子を防ぐため、所有者を明らかにしましょう

出典: 環境省「飼い主の方やこれからペットを飼う方へ」