アルバス・ダンブルドア。この名を聞いて、どんな人物像を思い浮かべるだろう?

ダンブルドアのゲイ設定が公式の事実に。『ファンタビ』最新作が描いた“愛の物語”
(画像=『女子SPA!』より引用)

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 全米公開に先駆けて、「ファンタスティック・ビースト」シリーズ待望の新作『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』(以下、『ダンブルドアの秘密』)が、4月8日(金)から全国公開されている。

 本作の原題に「The Secrets of Dumbledore」とある通り、ついにダンブルドアの「秘密」が明かされるのだ。でも、そもそもの話、「ダンブルドアの秘密」って、いったいどんなものなのか。

 今回は、「イケメンと映画」をこよなく愛し、大の「ハリー・ポッター」ファンである筆者・加賀谷健が、この秘密解禁の瞬間に心ときめかせながらジュード・ロウ演じる我が愛すべきダンブルドア像を徹底的に浮き彫りにする。

(※編集部注:以下、物語上の重要な場面の描写を含みます)

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原作者J・K・ローリングが意図した裏設定

 時は、2007年に遡る。カーネギーホールで開かれた朗読会の場で、原作者J・K・ローリングは、ダンブルドアが「ゲイ」であることを公言した。しかもグリンデルバルドに「恋」していたとも。

 ローリングのこの発言を受けて、たぶん、世界中のハリポタ・ファンが驚愕し、また甘い想像に浸ったはずだ。原作者自身による解説によって、魔法界史上最も偉大な魔法使いアルバス・ダンブルドアが、同性愛者であるという裏設定が知れ渡ることになった。

 でも、大抵のファンの関心は、ダンブルドアのセクシュアリティではなく、ハリーと闇の帝王ヴォルデモート卿との決戦の行方に自然と向いていた。そのためローリングの告白とは裏腹に、新作が待望されてきた映画作品ではダンブルドアの秘密にほとんど触れてこなかったのは事実だ。

 そんなわけで新たな冒険譚「ファンタスティック・ビースト」シリーズでは、ローリング自らオリジナル・シナリオを執筆することで、これまで映画では語られず、ひた隠しにされ続けたダンブルドア秘話を解き明かしてくれる。シリーズ第3弾『ダンブルドアの秘密』公開は、つまり、ダンブルドアに関する裏設定がもやは裏設定ではなく、“公式の事実”として世界に向けて解禁されることを意味している。

ダンブルドアがカミングアウト!?

ダンブルドアのゲイ設定が公式の事実に。『ファンタビ』最新作が描いた“愛の物語”
(画像=『女子SPA!』より引用)

主人公・ニュート・スキャマンダー(エディ・レッドメイン)

『ダンブルドアの秘密』では、大きくふたつの秘密が語られる。まず冒頭で、意外にも早々とダンブルドア自身の口から、ひとつ目の秘密が吐露される。マグル(魔法族ではない人間)のカフェでダンブルドアとグリンデルバルドが会話する場面。「because I was in love with you(君に恋をしていた)」(「愛していた」ではないのに注意!)と、ダンブルドアはすんなりカミングアウトするのだ。

 グリンデルバルドとのひと夏の恋物語がどんなふうに紡がれたのか、それは想像するしかない。たぶん、ダンブルドアのほうは、まだ未練が残っている。彼の未練を象徴するのが、10代の頃グリンデルバルドと結んだ「血の誓い」によって生成されたペンダントだろう。

 ふたりは互いに争わないことを誓った。このペンダントがある限り、誓いを破ることはできない。本シリーズの主人公で魔法生物学者のニュート・スキャマンダー(エディ・レッドメイン)の兄テセウス(カラム・ターナー)が、なぜそんな誓いを結んだのかと問うとダンブルドアは、「愛か、若気の至りか、解釈は任せる」と、まぁ少し苦し紛れに言う。