5.歯磨きの始め方
ここまで歯磨きをするべき理由について説明してきました。以下では、実際に愛猫に歯磨きを行う場合のコツや注意点などについて紹介します。
歯磨きはいつ頃からするべき? 頻度はどれくらい?
歯磨きを成功させるコツは、永久歯が生えそろう生後6ヶ月前後までに慣れさせること。
頻度は1日1回が理想的です。毎日するのが難しければ、歯垢が歯石になるのに1週間ほどかかるので、週に2~3回のブラッシングでも効果があります。
歯ブラシで磨く前に…
最初から歯ブラシを使って磨こうとすると嫌がりますので、以下のような手順で少しずつ慣らしていくようにしてください。
1 口まわりにタッチ
まずは、猫とのコミュニケーションの一貫として、口まわりにタッチすることから始めましょう。頭を撫でるときやブラッシングのついでに口の周りにも触れるようにして、触れられることに慣れてもらいます。
2 歯にタッチ
それに慣れてきたら、口の中に指をいれて歯を触ってみます。まずは手前の歯(門歯)に、さらに慣れてきたら奥の歯(臼歯)にタッチしていきます。
3 歯の表面をそっと磨く
問題なくタッチできるようになったらガーゼを使って歯の表面をそっと磨いてみましょう。このとき、ガーゼに動物用の味付き歯磨きペーストやウェットフードの水分を含ませてもOK。
4 歯ブラシを使う
ここまでできるようになって、はじめて歯ブラシを使います。
6.歯磨きを始める時のおすすめグッズ
口まわりに触れるなどして慣らしている間に、歯磨きに必要なグッズを揃えておくと良いでしょう。
・猫用、もしくは人間の子ども用の歯ブラシ
・歯磨き粉・液状歯磨き剤
・トレー
人用の歯磨き粉には、猫にとって有害である成分が含まれていることもあるため、絶対に使用しないでください。
猫用の歯磨き粉には飲み水に混ぜて使えるものの他、愛猫が喜ぶ香りのものなど、数多くの種類があります。いくつか使ってみて、愛猫が喜ぶものを選ぶのも楽しいかもしれません。
7.歯ブラシの仕方
歯に対して45度の角度をつけ、小刻みに動かすように磨いていきます。力はそれほど入れなくても大丈夫です。歯と歯茎の間に溜まった歯垢を掻き出すイメージで行いましょう。猫の歯で最も歯石ができやすい場所は、上顎の奥歯(臼歯)です。
臼歯→犬歯→門歯の順に磨き1周できたら終わりです。
歯ブラシを使いはじめたタイミングでは、間違った方法で歯茎を傷つけていないか動物病院で見てもらうようにしましょう。
8.どうしても歯ブラシを使えない場合
歯ブラシの使用が難しい場合には、ガーゼや歯磨き用のウェットシートを使ってください。歯周病予防に最も大切な歯と歯茎の間は磨けませんが、歯の表面の歯垢を取ることはできます。
それも難しい場合はデンタルジェルや口腔内スプレーなどのケア用品を使ってみてください。あくまで歯ブラシを使用する際の補助用品なので、歯ブラシを使った歯磨きほどの効果は期待できませんが、歯垢がつきにくい口内環境をつくってくれます。
口に触れるのも難しい場合には、ブラッシング効果のある療法食やおやつを取り入れてみるのも良いでしょう。
9.まとめ
本記事では猫の口まわりのトラブルを防ぐ基礎知識をご紹介しました。
毎日の歯磨きでキレイな歯を維持できれば健康的な毎日を過ごすことができ、寿命も延ばすことができます。少しずつ慣らしていくところから、ぜひ始めてみてください。
ただし、猫が歯磨きを苦痛に感じたり、飼い主さんを嫌いになってしまうのではホームケアが続かなくなってしまいます。飼い主さんと愛猫の良い関係を永く保つためにも、両者にとって無理のないやり方を見つけることが何よりも大切!無理なく、行いましょう。
何か不安なことがあれば、ひとりで抱え込まずに、早めに獣医師に相談してみてください。
提供・犬・猫のポータルサイトPEPPY(ペピイ)
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