マンションやアパート(以下:集合住宅)で犬と一緒に暮らすことはできるの?条件は?規則は?などなど、集合住宅で生活する人が犬との暮らしを考えた時に、それに伴うルールやマナーについて、多くの人が疑問を持ったり、悩んだりします。

今回は、そんなルールやマナーについて解説します。また、犬種独特の体質や気質を含めて、集合住宅での暮らしに適した犬についてもご紹介します。 既に集合住宅で犬と暮らしている人、今後、暮らしたいと思っている人、ぜひ参考にしてみてください。

犬と暮らすためのルール

ペット共生型住宅(ペット可)であることが最低条件です。そして、集合住宅には、さまざまなルールがあります。最初に、ペットに関する管理規約と賃貸物件における敷金の扱いについてご紹介します。

管理規約

集合住宅では、快適な生活を維持するために管理規約が設定されています。「管理規約」とは、国土交通省が定めた「マンション標準管理規約」をもとに大家が作成したルールのことです。その中には、共用部分の範囲や使用方法に加え、ペットに関する管理規約もあります。管理規約のほとんどには、ペット飼育の可否が定められています。万が一定められていない場合には、住民の4分の3以上の賛成を得てから飼育を可能にしなければなりません。

欧米諸国に比べ、日本ではペットの飼育を許可している集合住宅は決して多くはありません。「犬の鳴き声が近所に迷惑をかける」、「ペットの臭いが気になる」、「ペットアレルギーの住人がいる」などの理由から、許可できないという現実があります。また許可されていたとしても、犬の大きさが限定されているなど、条件があることも少なくありません。

集合住宅で犬と暮らしを始める場合、管理規約の確認は必須です。

賃貸物件における家賃と敷金について

賃貸住宅を借りる際には多くの場合、敷金が発生します。「敷金」とは、家賃の不払いなどの債務を担保するために、事前に支払っておく費用のことです。 ペット共生型(ペット可)賃貸住宅では、家賃や敷金が相場よりも少し割高になっているケースもあります。家賃はおおむね1~2割高、敷金も一般的な賃貸物件では家賃1~2ヶ月分ですが、ペット共生型賃貸物件では2~3ヶ月分と、1ヶ月分多いケースがほとんどです。 このことは、世間一般では、ペットが屋内で生活すると壁や床に傷がついたり、においが付きやすいと考えられているからです。

退出時には契約者に原状回復義務が発生します。「原状回復義務」とは、売買契約の解除にあたり契約前の状態に戻す義務のことです。ペットが壁や床につけた傷は契約者の過失となり、修繕費を負担する義務があります。

また一般的な賃貸物件では大家が負担するべき費用をペット同居によるものと判断され、修繕費として請求されるケースもあります。このようにペットと同居した場合には、原状回復費用が通常よりも多く発生します。しかし、穏やかで、人との関係が良好な犬との暮らしの場合では、通常の費用で済んでいるケースも多くみられます。また、入居時に支払っていた敷金は原状回復費に充てられ、過不足は退去時に清算されます。

犬との暮らしを楽しむために必要なマナー

ペット共生型集合住宅(分譲マンションを含む)にも犬が苦手な人や他人の犬の行動を受け入れることができない人もいます。 さまざまな人が暮らす集合住宅で犬と楽しく暮らすためには、他人への配慮や他の犬に対する心遣いがとても重要です。

集合住宅では、昼夜間を問わずの騒音、ごみの放置、異臭は禁忌。 犬の鳴き声、排泄物の処理、被毛の散乱などはトラブルの原因。 排泄物の処理を心掛ける(特に共有部では!)、ベランダや屋上を含め被毛が散乱するような場所でのブラッシングはしない、定期的にシャンプーをするなど常に清潔に保つのは最低限のマナーです。

また、犬の鳴き声は大きなトラブルとなる可能性を秘めています。 無駄吠えをし難い環境づくりはもちろん、子犬のうちからトレーニングをして無駄吠えによる迷惑をかけないようにしましょう。

犬を苦手とする犬もいます。 共有部はもちろん、どんな時でも部屋を出たら必ずリードを! 犬同士の争いが起こらないように、お互いに気をつけましょう。