既契約の保障内容を整理

どのような内容の保険に加入し、保険料を年間いくら支払っているのか、正確に答えられる人はどのくらいいるだろうか。加入している保険について把握していない状態で新たな見積もりをとっても、正しく比較検討するのは難しい。保険の見積もりを出してもらうときは、現在加入している保険の契約内容を正確に把握しておくことが大切だ。

保険の保障内容は、証券に記載されている。まずは証券を見て、死亡保険の保障額、医療保険の入院日額、ガン特約や特定疾病保障特約といった各種特約への加入状況などについて、書きだしてみるといいだろう。保障内容を一つひとつ箇条書きにしてみると、各保険の保障額はもちろん、特約の重複などムダな部分についても明らかになるはずだ。

加入している保険の保障内容のうち、必要なものとそうでないものをはっきりさせておけば、よりニーズに近い見積もりを出してもらえるだろう。

必要十分な保障内容のシミュレーション

自分に必要な保障が明らかになったら、次に考えるべきはその内容である。死亡保険やライフイベントへの備えについては、単純に「いくら必要なのか」ということを考えればいいのだが、医療保険に関してはそういうわけにいかない。入院日額以外に、ガンへの備えや特定疾病への備え、退院後の通院保障など、各種特約についても検討する必要があるのだ。

生命保険文化センターが行った入院日数に関する調査によると、直近入院時の入院日数は、5日未満が17.5%、5~7日が25.4%、8~14日が15.4%となっており、2週間以内の人が68%を占めている(2016年発表『平成28年度生活保障に関する調査』より)。また、厚生労働省が発表した『平成26年患者調査』でも、病院では退院患者の67%が、一般診療所では退院患者の83%が、0~14日の入院となっている。近年は、入院日数が全体的に減少傾向にあるのだ。

入院日数が少ないならば自己負担額は大した額にならないはず…。そう考える人は少なくないだろうが、残念ながら現実は甘くない。生命保険文化センターが入院経験のある人を対象に実施した調査によると、直近入院時の自己負担費用の平均は22万1000円となっている。またその内訳をみると、10~20万円未満の人が39.3%と最も多く、5~10万円未満の人が17.5%、20~30万円未満の人が13.1%となっている(『平成28年度生活保障に関する調査』より)。

医療保険は、短期入院でも十分な保障を受けられる内容にする必要がありそうだ。そのためには、入院日額を増やすのはもちろん、入院一時金特約やがん診断給付金特約など、各種特約の付保についても検討するといいだろう。

また近年は、退院後も通院治療を続ける人が増加傾向にある。医療保険には退院後の通院について保障する通院特約を付保できるものもあるので、こちらも併せて検討してみるといいだろう。