ダラダラ過ごした休日の不安。でも仕事を離れても「何もしていない」わけじゃない

何もしない休日なのにリラックスできない!もしかしてそれ仕事中毒かも
(画像=photo-ac.com/、『Plus Quality』より引用)

人は無意識にこなしている雑用をすぐに忘れてしまうものです。1日中ダラダラと過ごした休日は、何にも行動しなかった自分に絶望感が湧いてくるものですが、実は「結構いろんなことをやっている」と意識していないだけだったりするのです。試しに、自分が何か行動するたびに、メモをつけておくとよくわかるはずですよ。

例えば私の場合は、「あー、もう人間失格だ、何もしてない」と絶望的なダラダラした休日でも、その都度行動をチェックしてみると、こんな行動をしています。

・ペットの世話と散歩 20分

・家族の食事の用意 30分

・掃除、洗濯、窓拭き 30分

・洗車 20分

・庭に水撒き 10分

・食器洗い 5分

・風呂洗い 5分

こうやって書き出してみると、実はいろんな雑用をこなしていることが自覚できるんですよね。しかし、日頃のルーティンワークは手早くやってしまうため、ほとんど意識に残りません。それよりも、パソコンやスマホをダラダラ見ている時間が5、6時間あって、これが休日のほとんどの意識を支配しているのです。

ダラダラした休日でも不安は無用。脳は勝手に仕事中

何もしない休日なのにリラックスできない!もしかしてそれ仕事中毒かも
(画像=PexelsのMohammad Danishによる写真、『Plus Quality』より引用)

ダラダラ何もしない休日に不安や罪悪感を感じる人は少なくないでしょう。でも、ダラダラしていても、脳は勝手にいろいろな仕事をしているのをご存知ですか。スウェーデン出身の神経科学研究者アンドリュー・スマートが書いた『できる人はダラダラ上手』を読むとその驚くべき働きがわかります。

脳神経科学の世界は、何もせずダラダラ過ごすことが人体にとっていかに効果的かを教えてくれます。中でも印象的だったのは、2001年にセントルイス大学の認知神経科学者が発見した安静時の脳活動の話です。これはとても興味深いことでした。

人があえて何もせずゴロゴロしているとき、私たちの体の中では血流が増加して、脳により多くの酸素が運ばれているそうです。そして、ブドウ糖の消費が増えて、代謝活動が盛んになる「デフォルトモードネットワーク」という動きが活発化するというのです。ただダラダラ、ゴロゴロしているだけで、ですよ?

「デフォルトモードネットワーク」は、私たちが体を休めているとスイッチが入ります。そして、無意識下で、頭の中の情報整理を行ったり、疲労物質を駆逐してくれるのだそうです。こう考えると、ゴロゴロ、ダラダラする時間は、決して「何もしていない時間」とは言えません。ゴロゴロと休むほど、脳は休まずに活性化し、新しいひらめきや問題の解決が突然浮かんだりするのです。

頭の中の情報整理を行ったり、疲労物質を駆逐する「デフォルトモードネットワーク」を存分に活発化させるには、ゴロゴロしながら、目を閉じて音楽を聴いたり。読書もいいですが、オーディオブックだと、目を休ませながらイメージするの最適です。宮沢賢治の銀河鉄道の夜などは、まさにイメージの世界。ダラダラ過ごすことを目標にする休日があってもいいんだとわかると、罪悪感は消えていくのではないでしょうか。

参考資料『できる人はダラダラ上手』(アンドリュー・スマート/著、月沢李歌子/翻訳、草思社/刊)

脱・仕事中毒!何もしなかった休日の不安と罪悪感のない過ごし方

何もしない休日なのにリラックスできない!もしかしてそれ仕事中毒かも
(画像=photo-ac.com/、『Plus Quality』より引用)

あなたにとって理想的な休日の過ごし方はどんなものでしょうか?

ひとりでもできること、友達や恋人とできることなど、こんな休日が過ごしたいと思うことを書き出して、ひとつひとつ実行するようにしてみましょう。

最初からびっしり予定を立てず、休日の計画はゆるっと、どう転んでも良い曖昧な計画にしておくのもおすすめです。

例えば「今日のノルマは10時起き。映画鑑賞と部屋掃除30分」などと決めておけば、短時間でもやればよし!とするのです。あまりがっちり行動予定を決めてしまうと、できなかった時に敗北感、虚脱感にとらわれたり、また不安になったりしがちなので、ここはリラックスしてゆるりと行きましょう。

休日の不安と罪悪感のない過ごし方①休日の寝溜めはほどほどに

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(画像=photo-ac.com/、『Plus Quality』より引用)

疲れているといつまでも寝ていたいと思うこともありますよね。たまにはそういう日もいいけれど、眠りすぎて逆に疲れたなんてことはありませんか。休日の寝すぎで体内時間のリズムが崩れると、夜眠れなくなって月曜日がつらくなりがちです。

できれば休日も平日と同じコンディションで、リズムを整えておきたいもの。休日も朝早く起きて、心地よい音楽を聴きながら午後にお昼寝を30分といったスケジュールがおすすめです。

休日の不安と罪悪感のない過ごし方②軽い運動で汗を流す

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(画像=photo-ac.com/、『Plus Quality』より引用)

何もしてないゴロゴロしてると後悔しそうなとき、不安に襲われそうなときは、思い切って散歩かジョギングに出かけましょう。適度な運動は気分転換とリラックスに効果的です。ネガティブな思いは汗と一緒に外に出してしまいましょう。帰ってシャワーを浴びれば、嫌な気分はすっきりしているはず。ハードな運動で汗を流すのは逆効果になるので、あくまでもゆるっとした軽い運動に留めておくのがポイントです。ストレッチやヨガもおすすめですよ。

休日の不安と罪悪感のない過ごし方③恋人やペットと過ごす

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(画像=photo-ac.com/、『Plus Quality』より引用)

人はペットと3分遊んだり触れ合ったりするだけで「オキシトシン」というホルモンが出てくるそうです。この脳内ホルモンは、ストレスや痛みを和らげたり免疫力を高める働きがあるほか、睡眠の質を高める効果もあるそうですよ。さらに、血圧を下げたり、ダイエットや美肌にも効果が期待できるというから使わない手はありませんよね。

恋人とのハグやキスなどのスキンシップや、ペットと触れ合ったり見つめ合ったりすることでも分泌を促すことが可能だそうです。オキシトシンは肌の傷を治すための皮膚の幹細胞の動きを活性化させるため、肌のターンオーバーも促してくれるそうですよ。是非取り入れてみてはいかがでしょうか。

参考リンクNHK「あさイチ」

休日の不安と罪悪感のない過ごし方④頭の中を整理できる気ままドライブ、ひとり旅

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(画像=unsplash.com/、『Plus Quality』より引用)

家でゴロゴロしていると余計に疲れてしまう、かといって出かける予定もなく、仕事への不安が募るとき。お気に入りの音楽を用意して、思いつくままドライブしたり、ひとり旅をしてしがらみから解放された自由な時間を思いっきり味わうのもおすすめです。日常生活から離れてリラックスした状態になることで、脳がしっかりと休まり、頭の中の情報整理が進みます。

もちろん、疲労物質を駆逐する「デフォルトモードネットワーク」という動きも活発化します。移動時間は休憩時間。空間の移動で気分も変わり、いい感じでリラックスしている自分を実感するはずです。

▼休みはなるべくダラダラしないよう隔週ごとに友達や家族と遊びに行く予定を立てています。何もしないときは映画を見たり、ピザをデリバリーしたり、買い物に行ったり。「よし、休日を全力で遊んでる、楽しんでる」って自覚すると罪悪感も減りますね。(29歳・銀行)

▼休日はいつもはできない夜明け前のドライブを日課にしています。まだ誰も起きていない時間を楽しむのは気分がいいですね。夕方、日が傾きかけた時間の木洩れ日も好き。自然のゆらぎを感じるひとりの時間は貴重だと感じます。(34歳 プランナー)

▼休むと決めたら、徹底的に休もうって思わなきゃ中途半端で疲れます。昼間からお風呂でくつろいだり、趣味に没頭。掃除と洗濯は最低限の家事だけして、料理はしない。食べたいものだけちょこっとつまんで、夜はさっさと早寝。これで月曜日はかなりすっきりしています。(40歳・インテリア)

▼何もすることがない休日はあえてダラダラせず、何も考えずに掃除をしたり、外に出てカフェに行き、街を歩く人たちを眺めながらボーッと過ごします。スマホやノートパソコンよりも、ノートとペンを持って行く方がいろんなアイデアがたくさん浮かぶし、新鮮ですね。(37歳・プログラマー)