マイラ・リューインは、30年以上にわたってアーユルヴェーダとヨガを学び実践している第一人者。

「Hale Pule」を運営し、著書には『Freedom in Your Relationship with Food(もっと自由に アーユルヴェーダ流食べ方暮らし方:日本語版)』など。

世界中で開かれるカンファレンスにもスピーカーとして参加し、多忙な毎日を送るマイラですが、日本を訪れた貴重な機会にインタビューを行うことができました。

今回は「プラクティショナー(=実践者)」としての生き方、そしてヨガとアーユルヴェーダの魅力をお届けします。

マイラ・リューイン(Myra Lewin)
アーユルヴェーダとヨガを30年以上学び実践する。
何千人ものクライアントが本来の自然なバランスのとれた健康を取り戻し、依存症や摂食障害、自律神経失調症をはじめとする数々の問題を克服するのを支えてきた。
ニュージーランドを拠点とするHale Pureアーユルヴェーダ&ヨガの創設者・代表として、この2つの変容の科学を学び癒しを得るための幅広い機会を提供する。
その内容は、アーユルヴェーダ・ヘルスコンサルテーションから、ヨガ・アーユルヴェーダ指導者養成コースにいたるまで多岐にわたる。
YMCメディカルトレーナーズスクールでも毎年、定期的にワークショップを開催。

自然の知恵が結集

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(画像=『DRESYMCメディアカルトレーナーズスクールY』より引用)

日本ではアーユルヴェーダという言葉ばかりが先行し、その中身について詳しく知っている人は多くありません。
アーユルヴェーダとはいったい何なのでしょうか?

アーユルヴェーダの意味は「生命の科学」。

5000年前に授けられたインドの聖典「ヴェーダ」の教えに基づいた知恵であり、学問です。

自然の原則をベースにしたもので占星術とも深いかかわりがあります。

普段のみなさんの物の見方とは違う部分もたくさんありますので戸惑うこともあるかもしれませんが、基本はとてもシンプル。

原因があって結果が生まれるとの「カルマの法則」と一緒です。

自分の選択が現実を作る。責任の所在は自分にある。

それは人生を左右する選択だけではありません。

たとえば何をどんな風に食べるか、ということも含まれるのです。

ヨガやアーユルヴェーダにはゴールが存在しません。

自然の教えを理解し、個々が「どういう人生を生きたいか」を追求し、選択していくのです。

ヨガとアーユルヴェーダ の「プラクティショナー」(=実践者)であるマイラさん。
普段はどのような生活を?

アーユルヴェーダでは人生の土台を築くことがとても大切とされています。

ですから理想的な過ごし方とされる「ディナチャリア」に沿って一日を始めます。

例えば朝は目を開ける前にお祈りをし、起き上がったらお湯で口をすすぎ、舌を洗浄し、未精製のごま油で口腔をケアします。

それからシャワーを浴び、身支度をして「プラーナヤマ」と呼ばれる呼吸法と瞑想、さらにヨガを行うといった具合。

その後朝食をとり犬と散歩し、一日が始まります。

人生の土台がしっかりしていれば仕事にも自分のやりたいことにも、より意欲的かつ活動的に取り組めます。

私たちの体の中を流れるエネルギーのことをアーユルヴェーダでは「プラーナ」(=生命力)と呼びます。

プラーナで満たされている時、私たちは心身共に心地よく過ごすことができます。

しかしその流れが遮断されたり妨げられたりすると不調を感じるようになります。

ヨガっぽい言い方をすれば〝真の自分〞とのつながりが保たれなくなる、言い換えれば〝自分らしさ〞を失うのです。

〝自分らしさ〞を失わないためにはどのようなことに気をつければ良いのでしょうか。

一つはバランスを意識すること。

アーユルヴェーダ では極端を避け、何事も中間のバランスのとれた状態にこそ喜びや愛、平安といったものが宿ると考えられています。

「やり過ぎ」も「やらなさ過ぎ」も良くありません。

全てに対して「適度」であることが大切です。

そしてもう一つは「今この瞬間」に身を置くこと。

今の世の中はすごいスピードでいろんなことが流れていくため、瞬間を楽しむ機会を失いがちです。

今この瞬間を楽しめないと人は生きていても心地よさを感じられません。

なんとなく不調を感じ、しかもそれを当たり前の状態としてしまう。

本来、私たちはいつも気持ちいい、心地いいと感じるのが自然な状態。

朝起きた時、輝くようなエネルギーがみなぎっているのが本来の私たちの自然な姿なのですよ。

アーユルヴェーダとヨガを実践することは、過去や未来に思いをはせるのではなく、今この瞬間に集中し人生を楽しむことを可能にしてくれます。