21.なまぐさ汁
福井県小浜市に伝わる郷土料理で、小浜市の新保地区で昔からよく作られていた「浜焼き鯖」のほぐし身を入れた、具だくさんのすまし汁のこと。汁ものというよりおかずに近い感覚で食べられています。
鯖以外の具材は、ちくわや麩、かまぼこ、ネギ、豆腐などがよく使われるようです。名前から想像されるような生臭さはなく、具材や浜焼き鯖の旨みが汁に溶け出し、少し甘さを感じる優しい味わいです。
22.はまなみそ
福井県で冬限定で味わえる、伝統的なおかず味噌。米こうじを発酵・熟成させた甘酒に、醤油やナス、シソの実、白ごま、生姜などを加えて作られる、ほんのり甘いお味噌です。白いご飯にとてもよく合う一品で、醤油のこうばしさや麹の旨みが食欲をそそります。ご飯だけでなく、焼いたお餅に乗せたり、酒の肴としても重宝します。
例年10月上旬~2月下旬頃、県内のスーパーやお土産屋さんに並びますので、福井県のふるさとの味をお土産に持ち帰ってみては?
23.うなぎ料理
福井県の三方湖で獲れるうなぎは「クチボソアオウナギ」と言われる品種で、一般的なうなぎに比べると尾尻が太くて長く、口先が尖っているのが特徴です。
ゴカイを食べて育つ天然うなぎは高タンパクで、脂のノリもよく絶品。旬は5月下旬〜11月末にかけてで、とくに越冬に備えて栄養を蓄える11月が最もおいしいと言われています。三方湖の周辺にはうなぎ料理の名店が揃い、観光客や地元の人たちにも人気です。
うなぎ料理のおすすめ店:うなぎや 源与門(若狭町)
若狭町にある、うなぎ料理の名店のひとつ「うなぎや源与門」。JR「三方駅」から徒歩5分の場所にお店を構える、昭和7年創業の老舗です。注文を受けてからさばき、備長炭で焼き上げられたうなぎは、身はふっくらとしており皮はパリパリ!創業以来継ぎ足しつづける濃厚なタレの美味しさも評判です。
24.でっち羊羹(水羊かん)
一般的には夏に食べるイメージがある水ようかんですが、福井県では寒い冬に食べる風習があります。丁稚(でっち)奉公の時代に、奉公に出た丁稚さんが水羊かんをお土産に里帰りをしたのが発祥であることから「でっち羊羹」と呼ばれ、福井県ではこたつに入ってみかん、ではなく、こたつに入って羊羹と言われるほど、冬の風物詩となっています。
福井県の水羊かんは甘さ控えめに作られており、糖度が低いということは常温では長持ちしません。冷蔵庫がない時代に、少しでも日持ちがするようにと、冬に水羊かんが作られていたのが、冬に水ようかんを食べる理由だと言われています。
毎年11月〜3月頃には、福井県内の数々の和洋菓子店の店頭に「水羊かん」が並び、福井土産の定番にもなっています。
でっち羊羹のおすすめ店:えがわ(福井市)
福井県内で水羊かんを販売する店舗のなかで、最も有名なのが「えがわ」です。昭和3年創業の老舗和菓子店で、昭和30年頃からは水ようかんを主に販売するお店になりました。えがわの水羊かんは第22回全国菓子大博覧会において名誉総裁賞を受賞。重たくなくスルスルと食べ進められる水羊かんは、お茶請けにぴったりです。
25.勝ち山おやき
おやきと言えば長野県の郷土料理としてよく知られていますが、勝山市にも、古くから食べられている「おやき」があります。
勝山市民に愛されつづけている「おやき」は、香りのいいヨモギを練りこんだお餅に、ほんのり甘いあずきあんを包みこみ、こんがり焼き目をつけた和菓子です。この香ばしさとヨモギの風味に、優しいあんこが絶妙のハーモニー!勝山市内のほとんどの和菓子屋さんで、それぞれのお店ならではの勝ち山おやきを販売しています。
26.くずまんじゅう
若狭地域の特産品である「熊川葛」は、吉野葛、秋月葛と並ぶ「日本三大くず」のひとつ。小浜市ではその葛をつかった「くずまんじゅう」が古くから作られており、市内の和菓子屋さんの店頭にくずまんじゅうが並び始めると「夏が近づいてきているんだな」と感じさせる、季節の風物詩となっています。
葛と良質な水、素朴な材料で作られる「くずまんじゅう」はぷるんぷるんで、なめらかな喉越し。毎年5月〜9月いっぱい頃まで販売しており、店頭に並ぶ、冷たい水に冷やされている「くずまんじゅう」は見るからに涼しげです。
27.とびつき団子
一見するとおはぎのように見える「とびつき団子」は、福井県坂井市に伝わる伝統菓子です。小豆より大きくて少し硬いササゲという豆を使ったもので、ササゲがとびつくようにくっついている事から「とびつき団子」と名付けられました(あまりの美味しさに、子供がとびつくように食べるという説もあります)。
砂糖水に漬けられたササゲはほんのりと優しい甘さがありますが、甘さをつけるようになったのは近年のこと。むかしは砂糖が貴重だったために砂糖を使わず、塩やきなこにつけて食べていたそうです。ササゲの歯ごたえと素朴な甘さを楽しめるお菓子です。
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