1匹の母猫を放置すると1年後には50匹から70匹に増えるといわれており、最近では不妊手術を選ぶ飼い主さんが増えています。
しかし、小さな体にメスを入れるリスクはないのでしょうか。
今回は男の子の去勢手術に特化して、そのメリットやリスクについてご紹介します。
1.猫の去勢とは
猫の去勢手術とは、精巣を摘出する外科手術です。
全身麻酔をかけてから精巣付近の皮膚を切開し、精巣を取り出すシンプルなもの。
お腹を切開しないので、女の子の避妊手術と比べると体への負担は少なく日帰りできるケースがほとんどです。
10日程で抜糸しますが、抜糸が必要ない手術方法もありますので、手術方法についてはかかりつけの獣医師とご確認ください。
2.猫の去勢によるメリットや効果
猫の去勢には、スプレー行動の改善、ストレス軽減、望まない妊娠の防止、病気の予防といったメリットがあります。
- メリット1.スプレー行動の改善
- メリット2.ストレス軽減
- メリット3.望まない妊娠を防止
- メリット4.病気の予防
メリット1.スプレー行動の改善
部屋のあちこちにオシッコをかけるスプレー行動(マーキング)、大きな声で鳴き続けるアピール行動が改善できます。
メリット2.ストレス軽減
成熟すると攻撃性や交尾衝動が強くなり、その欲求が満たされないと大きなストレスになってしまいます。去勢手術によってこうしたストレスが軽減できます。
メリット3.望まない妊娠を防止
猫は比較的妊娠しやすいため、不妊手術をしなければどんどん増えていくでしょう。多頭飼育される場合は不妊手術が推奨されます。
メリット4.病気の予防
精巣を取るので精巣腫瘍を予防でき、前立腺の病気についても発生率を低下させることができます。オス猫同士のケンカが少なくなるため、感染症のリスクも大幅に減らせます。
3.猫の去勢によるデメリット
去勢のデメリットは、太りやすくなることです。
代謝エネルギー量が減るうえに、食欲が増えるので、同じフードを同じだけ食べさせるとどんどん太ってしまいます。運動量も減るので、去勢による肥満のリスクは約2倍という話も。去勢後用のフードでカロリーコントロールをしてあげましょう。
もう1つのデメリットは、繁殖できないことです。愛猫の血を引いた子猫が欲しいという場合は、そのリスクを踏まえて検討する必要があるでしょう。
4.猫の去勢は生後いつからできる?
性成熟が始まる前の生後6か月頃に去勢手術をするのが一般的です。
成長の早さには個体差がありますので、かかりつけの動物病院にご相談ください。
予防接種が終わっていること、ダニ・ノミ・寄生虫の駆除が終わっていることを条件とする病院が多いので、子猫を迎えたら早めに動物病院に連れて行き、去勢時期について相談しておくと良いでしょう。