5.猫の去勢における手術にリスクはある?
全身麻酔をするので、小さい体に負担がかかります。
麻酔薬や技術の進歩によって、麻酔による事故はほとんど報告されていません。しかし、麻酔薬に対して過敏反応が見られた場合は死に至る可能性があります。
こうしたリスクを避けるため、麻酔前には獣医師による触診、検温、血液検査などが行われます。
猫の去勢における手術の流れ
事前に血液検査などの必要な術前検査を受けたうえで手術日を決めます。
手術前
手術日までは愛猫の体調に変化がないか観察しておきましょう。発熱、嘔吐、食欲不振が見られた場合は延期しても構いません。
手術の12時間前からは絶食をさせて全身麻酔時の嘔吐や誤嚥を防ぎます。
当日
当日は、動物病院で身体検査を行って「全身麻酔や手術ができる状態かどうか」をチェック。問題がなければ手術に入ります。
手術自体は短時間で終わりますが、半日程様子を見るケースがほとんど。日帰りか入院かは動物病院によって異なりますので、事前にご確認ください。
退院後
退院後は、傷口をなめないようにエリザベスカラーを着けるよう指示されることもあります。
去勢手術を終えた猫は、精神的にも肉体的にも大きなストレスを抱えています。自宅に戻ってからも元気がなかったり、そわそわ落ち着かなかったりするケースがありますので、いつもの調子が戻ってくるまでそっと見守ってあげましょう。
6.猫の去勢手術の費用相場は?
動物病院によって異なりますが、10,000円から40,000円程を予定しておくと良いでしょう。血液検査やX線検査などの費用が追加になる場合があります。
基本的にペット保険は適用外ですが、適切な時期に去勢手術を受けると病気のリスクが減少するため保険料が割引されるケースがあります。
さらに、去勢手術や避妊手術に対して助成金や補助金を設けている市区町村がありますので、お住まいの自治体やかかりつけの獣医師にご確認ください。
7.猫の去勢をする前に考えておきたい点について
人間の都合で手術をすることに抵抗を感じる飼い主さんもいらっしゃることでしょう。
確かに去勢手術は猫にとって大きな負担です。しかし、攻撃性や交尾衝動、スプレー行動など、飼い主さんと猫の絆を危うくさせる行動を回避することは猫自身のためでもあり、ともに快適に暮らすための賢明な知恵なのです。
去勢手術のリスクはもちろん、去勢手術をしなかった場合のリスクも踏まえておく必要があるでしょう。
8.まとめ
去勢手術のタイミングは生後6か月でやってきます。
子猫を迎えたら早めに去勢手術について考えておきましょう。
東京都福祉保健局が実施したアンケートによれば、飼い猫に対する不妊去勢手術の実施率は、約9割と高い結果が出ています。多頭飼いをするには、家の広さ、世話をする人の数、ライフスタイル、経済状況、猫が病気になった際の費用についても考えておかなければなりません。
かかりつけの獣医師にご相談のうえ、ご家族でじっくり話し合って決めましょう。
【参照】東京都福祉保健局アンケート調査結果
提供・犬・猫のポータルサイトPEPPY(ペピイ)
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